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ゴンゾー・ジャーナリズムを作った作家であり記者でもあるハンター・S・トンプソンの破天荒な生涯を追ったドキュメンタリー映画。鬼才アレックス・ギブニーが監督を務め、ナレーションはトンプソンの同名小説の映画化として有名な
『Fear and Loathing in Las Vegas(邦題:ラスベガスをやっつけろ!)』 で主演を務めたジョニー・デップが起用されました。
やりたい放題やっているだけのように見えますが、一貫した信念を曲げず、"取材対象と真正面から向き合うことでしか見えないものを見よう"
とするハンターのジャーナリスト魂は鬼気迫るものがあるように思えます。取材対象はアメリカのドラッグ・カルチャーや政界で、ハンター自身がドラッグにまみれてジャンキーになる映像が多々流れますが、自分からドラッグに浸かったからこそ、汚れたドラッグの世界を内側から鮮明に描写することができたのでしょう。また、1972年のアメリカ大統領選において、ニクソンの対立候補であったジョージ・マクガヴァンに深く関わっていたことが伝えられていますが、たとえ政界が相手でも彼の破天荒な取材姿勢は全く変わりません。マスコミの前でも怖いもの知らずの勢いで自分の思うままに発言する映像が映し出された時には、「ゴンゾー(ならず者)、世にはばかる」というフレーズが頭をよぎる程、強烈な存在感を感じました。世間に意見を発信するということは、批評・批判を少なからず意識せざるを得ないはずなのに、彼はそんなこととは無縁だったようで、だからこそ彼の作品や映像は今でも多くの人を魅了するのかもしれません。個人的には彼の服装や私物がとても洒落ていて、細かいところをチェックしているだけでも楽しめました。
70年代の不安定なアメリカを情熱的かつ冷めた目で見つめた男、ハンター・S・トンプソン。愛国者であり拳銃マニアである彼は、拳銃で自ら命を絶ちました。汚れたアメリカ社会の裏側を見すぎたのでしょうか。最期まで"ならず者"でいたかったのでしょうか。ハンターに限らずジャーナリストの最期は強烈であればあるほど、後世まで語り継がれるものなのかもしれません。公開は7月4日から。(か)
写真©Magnolia Films
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