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1974年8月7日、ニューヨークの世界貿易センターにあったツインタワーの間にワイヤーを張り、その上でおよそ1時間にも渡り綱渡りを行ったフランス人曲芸師、フィリップ・プティ。その実話を元に制作されたドキュメンタリー映画は、マンハッタンのツインタワー完成予想図を新聞で見たフィリップが衝撃を受けるところから始まります。しかし、彼はタワーそのものを見ていたのではなく、ツインタワーの間にある空間に綱を張り、さらにその上を渡ることを想像し衝撃を受けていたのでした。ツインタワーは彼にとって "完璧" な姿。まさに一目惚れしてしまったのです。こうなると誰も彼を止められません。暴走気味ながら、ニューヨークにて仲間達と綿密な計画を立てること約8ヶ月。地上400メートルの高さで綱渡りをするなどという不可能を可能にするには、仲間や恋人の支えがなくては成し遂げられなかったことが当時の映像を通して伝わってきます。「南棟から北棟へどのようにワイヤーを張ったのか?」「セキュリティをどうやってすり抜けたのか?」など、計画の一部始終を明かしながら進んでいくので、まるでミステリー映画を見ているようなドキドキ感すら感じました。また、34年前の世紀の犯罪に関わったメンバーが各々の観点から当時を振り返りながらコメントをするのですが、誰よりもフィリップ自身がまるで数日前の出来事を話しているかのように語る様子には思わず身を乗り出して見入ってしまいます(私の隣の席の人もそうでした)。そしてツインタワーの間を何度も往復するだけでなく、ジャグリングや寝転んだりする驚きの芸当をやってのけたときの彼はなんと笑っていました。死に最も近い場所にいるにもかかわらず、恍惚とした表情で「本当に幸せ」というその姿はまさに芸術。綱渡り一徹もここまで来ると芸術になるのだと思うと、「ブラボー!」と心から拍手を送りたい気分になりました。公開は8月8日から。(か)
写真©Magnolia Pictures, Discovery Channel Productions
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