ワイン通ライター
トム・パーカー さんが語る!
ワシントン・ワインのイントロダクション
私トム・パーカーは、職業ライターであると同時にワイン愛好家でもあり、ワシントン州におけるワイン産業の目覚ましい発展ぶりを長年にわたって追ってきた。その過程で得た知識とオススメ情報を、少し皆さんにご紹介したいと思う。
ワインはいまやアメリカのすべての州で造られているが、そのクオリティは千差万別だ。多くの人はアメリカのワインと言えばカリフォルニアを思い浮かべるし、それにはもっともな理由がある。しかし、ワシントン州におけるワイン造りの物語も大変興味深いもので、研究に値すると言える。ワ州は急速に、世界でもっとも重要な新興ワイン生産地のひとつになりつつある。ワイン通はかなり前からワシントン・ワインに世界最高レベルに匹敵するという評価を与えているし、ワ州のワイン用ぶどうの生産高はカリフォルニアに次いで全米第2位だ。ワインを飲む一般の人々の間での認知度はまだワイン通による高評価に追いついていないが、その評判はかなりのスピードで広まっている。
ワシントン州のワイン産業は、州外の人にはいまだにあまり知られていない。ワ州はワイン用ぶどうを育てるには湿気が多すぎるとか北すぎるとかいったよくある誤解も、認知度を下げている一因だ。実際はどうかと言えば、確かにワシントン州西部は湿気が多く雨がちだが、ワイン用ぶどうの大部分はカスケード山脈の東に位置する乾いた砂漠地帯で作られているのだ。ここは日照時間が長く、よく灌漑された地域で、緯度もフランスのボルドーやブルゴーニュといったワイン生産地と同じであるため、ワイン用ぶどうの育成には理想的な環境と言える。
私はもともと、ソノマやナパといった有名なワイン産地から車ですぐのところにあるサンフランシスコの出身だ。1970年代から80年代にかけて、質が高いけれど小規模ないくつかのワイナリー(ブティック・ワイナリー)が、世界でもっとも重要なワイン産地のひとつに変わっていく様子を見てきた。振り返ってみればこの時期は、業界でも良く知られ、賞賛を集めているワイナリーを訪れ、そのワインについて学ぶ歴史的な機会だった。重要なワイン産地として成長している今日のワシントン州は、ワイン愛好家や観光客にとって、当時のカリフォルニア州と同じような機会を与えてくれる存在なのだ。
1996年にシアトルに引っ越してから、私はワシントン州のワイン産業について学び、シアトル、そして主要なワイン用ぶどう産地であるカスケード地域にある多くのワイナリーに興味を抱いた。また、カリフォルニアやその他のワイン産地(その中にはフランスも)からワ州のワイナリーに働きにやってきて、高品質な農場やぶどう園を作るワイン生産者が増えているのを知り、好奇心ををそそられた。間違いなく何か重要なことがここで起こっていたのだ。7年後の今でも、素晴らしい物語が語られていく様子を見るのは、大変楽しく魅惑的なことだ。
ワシントン州を訪れ、この新興ワイン産地が台頭してくる場面に立ち会うのに、今はまさに理想的な時だ。変化のスピードは速いが、今ならまだ、高評価を受けている多くのブティック・ワイナリーやワイン生産者が未来のスターになっていくのに立ち会うことができる。そして、もし今すぐワ州に来ることができなかったとしても、ワシントン・ワインはあなたの地元のワイン・ショップでも試すことができるはずだ。
フランスには "アペラシオン" と呼ばれる、ワイン産地に対する公式認定制度があるが、アメリカでこれに相当するのが "American
Viticultural Areas(アメリカぶどう栽培地域)"、略してA.V.A.だ。ワシントン州には現在5箇所のA.V.A.が存在する。うち4つはカスケードの東にあり、コロンビア・バレー、ヤキマ・バレー、レッド・マウンテン、ワラワラ・バレーがそれに当たる。レッド・マウンテンはこの中でもっとも小規模かつ新しいA.V.A.で、2001年に認定された。ヤキマ・バレー東端にある、乾燥して日当たりの良いこの山で育ったぶどうは非常に特徴的で、ワ州最高のワイナリーの中には、高級メルローとカベルネ・ソーヴィニヨンを作る際にこのぶどうを使っているところもある。
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Washington State A.V.A. 地図
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