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シアトルからビクトリアへ行くには、シアトルの北にあるアナコルテス港からワシントン州フェリーを利用するか、またはシアトルのウォーターフロントから出発しているビクトリア・クリッパーを利用するかという2つの方法がある。今回は1泊2日で市内に滞在するだけなので車も必要ないため、ビクトリア・クリッパーで行くことにした。チケットはビクトリア・クリッパーのウェブサイトで購入し、コンファメーション・ナンバーを印刷しておく。


午前7時:
1日10ドルの駐車場に駐車し、ビクトリア・クリッパーのターミナルへ。印刷して持参したコンファメーション・ナンバーをカウンターで渡し、ボーディング・パスを受け取る。待合ロビーに入る前にパスをチェックする職員が、「酒気帯び運転の前科はあるか?」と聞かれた。理由はカナダでは酒気帯び運転が重罪だからで、その前科があればカナダ入国を拒否されることがあるからだそう。もちろん私にはそんな前科はないのだが、車でカナダへ行く時は国境の審査官にそんな質問を受けたことがないので印象に残った。
午前7時15分:
ようやく乗船する時間が来た。ボーディング・パスには飛行機と同様、1とか2といったグループ番号が書かれており、呼ばれたグループから乗船する。しかし、ビクトリア・クリッパーでは座席番号がないため、二層式で人数分の席があると言っても最後に呼ばれた場合は同行者と一緒にすわることができないケースもあるようだ。もちろん、子供と同伴の場合は先に乗せてもらうことができるが、大人の場合は他の乗客に場所を替わってもらったり、と忙しい。私たちは運良くグループ2だったので、上階の窓際で3人がけの座席の端を確保できた。
午前8時:
いざ、出発。座席は2列ずつ向かい合っているので、フレンドリーな人たちと同席すれば、おしゃべりも弾む。窓際の夫婦は「結婚10周年記念なんですよ」とシャンパンをオーダーして乾杯し、私たちの向かいにすわった夫婦は「妻の誕生日で」「彼がサプライズしてくれたの」と目を見合わせた。私たちは「ただの観光」である。それからしばらくそれぞれがどうしてシアトルに住んでいるのかといったことを話していると、「30ノットで進むこの高速船は、かなり揺れるらしい」と、誰かが言い出した。それを聞いて早速、下の売店で酔い止めの薬を購入(1個25セント)して飲んだのが幸いしたのか、揺れをさほど感じない。しかし、船内は何故か冷房がきいており、窓際の男性はカバンを冷風口に置いて寒さをしのいでいた。船内には飲み放題のコーヒーと紅茶があり、私たちは寒さをしのぐためにそれぞれ5〜6杯は飲んだのではないだろうか。
午前10時35分:
ようやくビクトリアに到着。インナー・ハーバーに入ったクリッパーは到着ターミナルまで約10分かけてしずしずと進むのだが、その間はウォーターフロントに面した豪華ホテルを見ることができる。10時45分にターミナルに到着すると、荷物をチェックインしなかった人たちから先に下船するので、身軽な私たちはみなさんと
"Have a great time!" と言い合ってお別れした。
午前11時:
ターミナルからも見える宿泊先のエンプレス・ホテルまでは徒歩5〜8分。1908年にオープンしたビクトリアの象徴的存在でもあることから、今回はここを選んだ。部屋はもう用意ができているということで、そのままチェックイン。インナー・ハーバーと中庭を臨む部屋は、小さいが雰囲気はいい。
午前11時30分:
エンプレス・ホテルの前にある、観光案内所へ。ここではたくさんのブローショアが置かれているだけでなく、職員がさまざまなプランニングや予約も手伝ってくれる。3月でもたくさんの人でごった返していたので、夏などは観光客1人に割いてくれる時間は非常に限られるだろう。
午前11時50分:
まずは最初の目的地クレーグダーロッグ城へ。地図で見ると遠そうに見えたのでホテルの前からタクシーに乗ったが、5分ぐらいで到着してしまった。値段は
CAN$10。押しの強い運転手で、「待っといてやる」と強硬に主張し続けたが、私たちは「必要なら電話するから」と逃げ切った。さて、このクレーグダーロック城は、大金持ちの大邸宅。1890年にようやく完成したが、最初に建てられた部分は材料にもデザインにもかなりのこだわりがあるそうだ。ビクトリアが一望できる最上階の部屋には、勝手に弾いても良いピアノが置いてあり、男性がしばらくすてきな曲を弾いていた。あちこちに施されたステンドグラスを眺めながらピアノを聴いていると、かつての優雅な暮らしぶりが見えてくるような気がする。
午後12時45分:
クレーグダーロッグ城から徒歩でダウンタウン・ビクトリアへ戻る。天気が良いので、アンティーク街を歩くことにするが、途中の Sally's
Bun でランチを食べることにした。ここのバンは飲茶で出てくるチャーシューパオのようなパンの中に、フェタチーズやトマトやカレーチキンなどの具が入っている。1番人気はフェタチーズとほうれん草だそう。なかなかユニークで、軽食にいいかも。
午後1時20分:
ダウンタウン周辺を歩いてみる。とにかく小さなダウンタウンなので、地図では長い距離に見えても、実際に歩いてみるとすぐそこだったりする。
午後1時50分:
Royal BC Museum へ。入り口にはジョン・レノンが乗っていたという派手なペイントが施されたロールス・ロイスが展示してあった。子供たちが記念写真を撮影している。館内にある
IMAX Theatre で午後3時からの 『Pulse: a STOMP Odyssey』 を鑑賞する前に、ボランティアによる館内ツアーを利用することに。希望者は私たちだけだったので、そのボランティアの女性には30分ほどかけて常設展を周ってもらった。とにかく細かく説明してくださる方で、非常に助かる。
午後4時30分:
Royal BC Museum からいったんホテルに戻り、午後5時のホテル内でのアフタヌーン・ティーに備えて着替えをした。エンプレス・ホテルのアフタヌーン・ティーはビクトリアでは有名で、年間10万人のお客が来るという。「エンプレスでアフタヌーン・ティーをした」というのはビクトリアならではの醍醐味なのだ。
午後5時:
さて、いざアフタヌーン・ティーへ。しかし、きちんとした格好をしているのは数人で、かなりラフな格好の人たちもいる。やはり高級ホテルとは言え、ここはカナダなのだ。サービスはフレンドリーで丁寧。窓からはインナー・ハーバーが見える。サーブされたものは3種類のサンドイッチ、スコーン、ショートブレッド、そして各種ケーキで、アフタヌーン・ティー初体験の人なら喜びそうだ。「ローカルの人はここではアフタヌーン・ティーはしない」と聞いていたので、やはり一般的な観光客用か・・・。
午後7時:
エンプレス・ホテルで改築されたというスパ "Willow Stream" へ。ここではハンガリアン・バスというお風呂が有名らしい・・・が、写真ではプールのように大きく見えたのが、実際ははるかに小さいものでびっくり。トリートメントの予約は午後7時30分からなので、とりあえずこのお風呂に入ってみるが、すぐに飽きてしまった。今度は女性更衣室の中にあるスチーム・バスをチェック。中はひんやりとしている。ようやく壁にスイッチらしき物を見つけて押すと、5分ほどしてようやくスチームが出てきたが、もうトリートメントが始まる時間になってしまった。トリートメントを最大限に有効利用するには、やはり肌が温まっている必要があると思うので、とても残念。トリートメント自体は普通のスパと変わらない。帰るときにスチーム・バスのことを言うと、「誰も使わない時はスイッチを切っている」とのこと。これから行かれる方は、更衣室に入ったら、まずスイッチをオンにしよう。
午後9時:
ビクトリアでぴか一というイタリア料理レストラン、Il Terrazzo へ。ほぼ満席の店内はとてもにぎやか。あちこちに暖炉やヒーターが置かれているので、広くても寒くない。私たちは暖炉の真横のテーブルに案内されたが、ちょうど良い暖かさだった。人気があるだけあって、パスタはきちんとアルデンテだ!アヒ・ツナのサラダもあっさりしておいしく、ナスのパルミジャーナはチーズがカリカリして美味。パンもおいしく、ついつい食べ過ぎてしまった。ホテルに戻る前に、腹ごなしのためにグルグルと歩く。夜でも人通りがあるが、大通りを歩くに越したことはない。
午前7時:
快晴。ホテル前のインナー・ハーバーに沿って作られている遊歩道を歩いてマリーナまで行ってみた。海上にはシアトルのレイク・ユニオンと同じくハウスボートが並んでいる。途中で、ビクトリアの姉妹都市である盛岡市から姉妹都市提携6周年記念の1990年5月に贈られたという東屋を見つける。桜がとてもきれいに咲いていた。
午前8時45分:
ホテル内のキップリングスでビュッフェ形式の朝食を食べる(CAN$25)。各種パン、スクランブル・エッグ、ベーコン、ソーセージ、サラダ、フルーツ、といった典型的な朝ごはんだ。メニューには
"Japanese Breakfast" (CAN$29)もあった。
午前10時:
ホテルのすぐ前にある蝋人形館へ。外観から想像するよりも広く、まずは故ダイアナ妃も含め、イギリス王室の面々、アメリカ政府の有名な大統領数人、と続き、なぜか明治天皇が。そして次は、中世から現代までの拷問の方法を蝋人形を使ってリアルに再現しているセクション。これは子供には見せられないのではと思うような残酷なものばかり。大人でも気持ちのいいものではないかもしれない。私はいくつか見てから通り過ぎた。最後は、赤毛のアンやジョン・ウェイン、マリリン・モンローなど、フィクションと実在の人物を見ることができる。蝋人形館を出て、そのすぐそばにある、アンダーシー・ガーデンへ。これは海中の生物を見ることができるものだが、子供には楽しいものかもしれない。フィーチャー・アトラクションである大タコの餌付けは、時間がなくて見ることができなかった。
午後12時:
エンプレス・ホテル前から出発するブッチャート・ガーデン行きのツアー・バスに乗る。ドライバーはイギリス出身のおもしろい人で、片道約40分の道のりを観光案内をしながら運転してくれた。ブッチャート・ガーデン自体は別の市にあるため高速道路も通る。この巨大な庭園はイタリア風、日本風、イギリス風、などいろいろなセクションに別れているが、私は
"Sunken Garden" (写真右)が1番気に入った。まだ3月だったため花の数は少ないが、6月から8月にかけてはもっときれいな景色を見ることができるのだろう。帰り道は、また同じドライバーがいろいろな話をしてくれた。運転しながらエンターテイメントまでしなくてはならないのは大変な仕事だと、そこばかりが気になってしまったが・・・。
午後3時:
ようやくビクトリアに戻り、午後4時に再びビクトリア・クリッパーに乗るまでに何かを食べようと思い立つ。午前中に歩いていた時に朝ごはんに来店した人たちが行列していた
Mo:Le へ行ってみる。食事時ではないので客は1組だけしかいなかった。グリルド・ベジタブルのホットサンドイッチはなかなかうまい。つけあわせのスープは味噌味で海苔が浮いており、豆腐とごま油も入っている。どうも味噌汁を見よう見まねで作ってみたという感じだが、意外においしい。シアトルならキャピトル・ヒルにありそうな味だ。
午後4時:
ビクトリア・クリッパーのターミナルへ。出発1時間前なのに、既にたくさんの人たちが並んでいる。米国への入国はさらに厳重な警戒態勢がしかれており、手荷物もX線検査をされた(ビクトリアへ行く時はこの検査はなかった)。それ以外はいたってスムーズで、予定どおり午後7時前にシアトルのターミナルに到着。下船する際に、行きの船で一緒だった夫婦に遭遇し、お互いに「楽しい週末だった」と言い合ってお別れした。またビクトリアに行く時は、真夏のブッチャート・ガーデンと、ローカルたちの行くアフタヌーン・ティーを楽しみたい。
(終わり)
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ビクトリア・クリッパーのターミナル。

ビクトリア・クリッパー。

外国に来たという感じがする。

エンプレス・ホテルの部屋。

クレーグダーロッグ城のダイニング。

ローカルたちに人気の Sally's Bun。

ジョン・レノンのロールス・ロイス
エンプレス・ホテルのアフタヌーン・ティー。これだけで満腹になる。
Il Terrazzo のアヒ・ツナのサラダ。
インナー・ハーバーに沿う遊歩道。

エンプレス・ホテルのビュッフェ形式の朝ごはん。

市内ツアーはダブル・デッカーで。

ブッチャート・ガーデンの "Sunken Garden"。
ローカルに人気の朝ごはんスポット、Mo:Le。
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