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第2回 日本の相続税法の大改正について

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相続診断士、ファイナンシャル・プランナー 泉 三紀夫さん

一般社団法人 相続診断協会 企画推進部部長
相続診断士、ファイナンシャル・プランナー 泉 三紀夫さん

【公式サイト】 souzokushindan.com
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前回お話したように、日本は毎年50兆円の資産が受け継がれていく「大相続時代」となっています。その中で注意するポイントとして

  • 相続は決してお金持ちだけの問題ではない。持ち家が一軒あれば十分に火種になる
  • 一度揉めた家系は、「覆水盆に帰らず」で、家族や親戚がバラバラになってしまう
  • 日本の相続で、海外に住んでる相続人がいらっしゃると、コミュニケーション不足から、揉める可能性が高くなる

そんなことを書かせていただきました。

もうひとつ、日本で「大相続時代」といわれる言われる理由があります。日本では、テレビ、新聞、雑誌などのメディアで特集されていますが、それは、「相続税法の大改正」がこの2015年1月1日に施行される予定だからです。その骨子ですが、まず相続税の基礎控除(※)が実に40%も引き下げられます。基礎控除の見直しは1994年以来です。

※基礎控除額とは、「相続税が発生しない一定額以内」という意味です。

親子4人家族(父・母・長男・長女)で、ご主人が亡くなられた場合を考えてみましょう。

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現行では、基礎控除額は8000万円です。その内訳は、

5000万円 + 1000万円 x 3人(妻・長男・長女=相続人の数)= 8000万円

家の評価額や現預金など合計した資産が8000万円を超えなければ申告・納税する必要はありません。

しかし、来年1月1日以降は、同じケースでその基礎控除額が4800万円に引き下げられます。その内訳は、

3000万円 + 600万円 x 3人(妻・長男・長女=相続人の数)= 4800万円

仮に遺産の合計額が7000万円あったとすると、今年中であれば納税しなくてすみますが、来年になると納税の対象者となるということです。ちなみに、米国の基礎控除額は500万ドルです。(ずいぶん日本より高額です)

この改正によって、それまで相続税がかからなかった方々に、相続税がかかるようになり、納税対象者の数は日本全国で約2倍に増加すると言われています。また、東京、大阪、名古屋などの大都市圏に持ち家や駐車場などがあれば、すぐに相続税の納税対象者となる可能性があるため、3倍~4倍の方が納税対象となると言われていますから、大都市圏に土地などお持ちの方は戦々恐々としていて、メディアで大きく報道されているのです。

また、相続税には、数々の特例(※特例とは、納税額を引き下げることができる制度)がありますが、相続税の申告納税期限は10ヶ月以内という大原則があり、期限内に申告しなければ、その特例も受けられなくなります。10ヶ月は時間的にはずいぶん長い期間のように感じられますが、実際に申告納税された方は「お葬式、四十九日の法要、お墓、仏壇などの準備、他にもなどさまざまな手続きがあって、ホントにあっという間で時間が足りなかった」というお話をよく聞きます。遺産分割協議がうまくまとまらないと、せっかくの特例も受けられない可能性があります。これからますます、相続に対しての事前準備が大切になってきます。この連載が、皆様の事前準備にお役にたてれば幸いです!

この連載では、日本の相続事情を詳しく解説し、読者の皆さんからの質問なども受け付けております。ご質問はお気軽にメールでお送りください。

セミナーのお知らせ

日時:2014年12月9日
会場:ワシントン州ベルビュー
講演内容:日本国外に住む日本人が知っておくべき日本の相続事情の最新情報を提供し、実際に笑顔相続ノート(エンディングノート)を書き、笑顔相続ノートの本質を勉強します。自分の状況を的確に把握することで、将来のために「今」何をしなくてはならないかがわかります。

詳細はこちらでご覧ください。

(2014年11月)

コラムを通して提供している情報は、一般的、及び教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。 読者個人の具体的な状況に関しては、直接専門家・弁護士にご相談下さい。

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