1975年にシアトル市公園管理局のプログラムとして始まり、今では若年層向けの常設劇場として北米2番目の規模を誇るまでに成長した 『シアトル・チルドレンズ・シアター』。生涯にわたって芸術に興味を持ち続けるための基盤作りに加え、芸術を通して世界を見る目を養うことも目的としており、劇場での公演のほか、多彩なクラスを揃えている。
4歳半から幼稚園児までを対象にした 『ドラマティック・イマジネーション』『トレジャー・トランク・シアター』『イマジン・アクション』 は、クラスで物語を作り上げていくプログラム。体や声を使いながら自由な発想力や表現力を養うことが目的で、4歳から5歳を対象にした 『Cast 1』 のように、1回2時間半・週2日のプログラムもあるので、プリスクールの代わりとして人気を集めているという。
夏のみ提供されているサマーキャンプでは、3歳から小学2年生までを対象とした 『クリエイティブ・ドラマ』 コース（想像力を豊かにするための充実したプログラムを年齢別に構成）、3歳半から4歳半までを対象にした 『ストーリー・ドラマ』（本を読み進めながらさまざまな問題をクラスで解決していくプログラム）がある。毎回異なる本を用い、絵や音を使って効果的に五感を刺激しながら、子供たちが自然に物語の中に入っていけるよう工夫している。「そうすることで子供たちが登場人物になりきりやすくなり、彼らの問題を自分の問題として捉えて解決する力を身につけていきます」と語るのは、エデュケーション・ディレクターのカレン・シャープさん。3歳から4歳を対象とした 『ファミリー・ストーリー・ドラマ』 のように、保護者が一緒に参加するプログラムもある。
「劇場のプログラムと言うと演劇をすると思われることが多いですが、幼児向けのプログラムでは想像力や知的好奇心を育むことを重視しています」とシャープさん。参加している子供たちは総じてコミュニケーション力に長けているということからも、クラスを通してさまざまなスキルが身につくと言えるだろう。
Seattle Children’s Theatre（シアトル・チルドレンズ・シアター）
【住所】 201 Thomas Street, Seattle （地図）
【電話】 (206) 443-0807
【公式サイト】 www.sct.org
掲載：2011年10月、更新：2017年4月
