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シルク・ドゥ・ソレイユ新公演 『Luzia』 で、マジカルな世界へ

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ビッグトップの入口

1984年のカナダ・ケベック州で創立したシルク・ドゥ・ソレイユが、また来てくれました!会場は今回もレドモンド市のマリームーア・パーク。こんな巨大テントを何ヶ月も設置できるのは、キング郡広しと言えども、ここだけですよね。

初めて観たシルクの舞台は、忘れもしない、『アレグリア』。まだあの「あれぐり~あ~♪」という歌が聴こえてくるぐらい記憶に残っています。

それからいくつかシルクの公演を観ましたが、今回はシルクをして「新境地に達した」という舞台 『ルシア』。メキシコにインスピレーションを受けたとのことで、カラフルな感じに気分があがります!

トランプ政権になってからアメリカとメキシコの間にはいろいろあるので、シルクの広報担当者に「微妙なタイミングですよねー」とふってみたら、「そうだね(笑)。でもこの舞台を3年前に制作し始めた時は、今の政治的な状況は予想できなかったしね。そもそもシルクは政治じゃなくて、アートをやってるから!」とのことでした。

リハーサル見学。手前の方がステファンさん

さて、先日はその巨大テントの設置作業を少し見学させてもらいましたが、初日はバックステージでアーティストたちのリハーサルを見学することができました!

インタビューさせていただいたステファンさんは、もう13年ぐらいシルクに出演しているベテラン。フープを通り抜けるアクロバット「フープ・ダイビング」をシルクらしくアップグレードしたパフォーマンスで、7人が舞台に設置された巨大なトレッドミルの上を走って加速しフープをくぐり抜けるという、複雑なものです。すごくスピード感のあるダイビングができるのですが、ダイビングした後はこの上なく滑らかに、美しく、音を立てずに前転したりしないといけないわけで。アーティストさんたちの真剣な表情、美しい筋肉にホレボレします。

3月31日の初日は招待客オンリーの「プレミア・ナイト」。ドリンクや軽食が無料で配られ、にぎやかなメキシコ音楽のライブ演奏、ダンサーのパフォーマンス、シアトルの有名な壁画アーティストのヘンリーさんのライブペインティングなど盛りだくさんでした。両側に並べられたシルクのグッズをチェックできるようになっていて、つい買ってしまうようになってます!

プレミアナイトのパーティー

そして、いよいよ開幕!数時間前にインタビューさせていただいたステファンさんがハミングバードのコスチュームで登場。リハーサルでやっていたルーティンに、華やかなコスチュームが加わって、とてもマジカル!やっぱり舞台ってすばらしい!

でも、なんと、第2部の終盤、超ハラハラドキドキのダブル・スイングで事故が発生。下のツイッターで表示されてる画像のアクロバットで、女性のアーティストが着地に失敗して背中からスイングに落下してしまいました。

バン!と嫌な音がした瞬間、すべての魔法がとけたよう。スイングが止められ、舞台に現れた救急隊員たちが彼女を担架に固定する様子を観客は固唾をのんで見守り、彼女が搬送されていく時はスタンディングオベーションで見送りました。

すごいリスクを犯してエンターテイメントを提供してくれていることに対する感謝、何事もなく回復しますようにという祈り、きっちり仕事をしている救急隊員に対する尊敬、そういったいろんな気持ちをこめて。

スイングは静かに片付けられ、アーティストたち全員が出演するフィエスタでフィナーレ。「彼女はいったいどうなったのだろう」と気がかりでしたが、シルクの発表によると、彼女の容態は安定しているそうです。

夢のような不思議な世界に連れて行ってくれるシルク。今回もメキシコにまた行ってみたいという気持ちにさせてくれました。

©Cirque du Soleil

でも、それと同時に、すごいアクロバットを見せてくれるアーティストたちが生身の人間で、どれだけ危険なことをしているかを改めて認識させられた夜でもありました。

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