10月31日はハロウィン(Halloween)です。レストランやカフェ、オフィスビル、住宅の玄関先にはオレンジ色のパンプキンで作ったランタン 『Jack-O-Lantern』 が飾られ、ホラー映画のようなデコレーションで盛り上げます。ハロウィン当日は、コスチュームを着た子どもが近所の家やイベントでキャンディをもらう “Trick or Treat”(お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ!)をしたり、仮装パーティーをしたりして賑やかに過ごします。
ハロウィンの歴史
History.com によると、ハロウィンの歴史は紀元前にまでさかのぼるそう。今のアイルランドに住んでいたケルト族は、10月31日で1年が終わるという暦を使用し、元日の11月1日に生から死への移り変わりを意味する “Samhain”(ソーエン)というフェスティバルを行っていました。ケルト族はこのソーエンの前までに穀物を収穫したり、家畜を料理したりして冬を越す準備をし、死霊を避けるため仮装をしていたそうです。
その後、ローマ帝国がケルト族が住んでいた主要地域を征服した43年から、以後400年にわたり、ローマの支配下にあったこの地域では、ローマで発祥した祝いとケルト族のソーエンと融合し、新しい祝いが生まれました。
アメリカでハロウィンが祝われるようになったのは、1800年代も後半に入ってからのこと。ヨーロッパからやってきたさまざまな移民、ネイティブ・アメリカンの習慣や信仰が融合され、アメリカ独特のハロウィンが生まれますが、収穫を祝う踊りや歌、怖い話を語り合い、近所で楽しむやり方だったそうです。その後、1800年代後半に主食のジャガイモがほぼ全滅してしまうという「ジャガイモ飢饉」(Irish Potato Famine)に見舞われて国外に脱出したアイルランド人が移住したアメリカで、ハロウィンを確立させていったと考えられています。
ちなみに、ハロウィンのオレンジは収穫、黒は死を意味しています。
Jack-o’-Lantern ジャック・オー・ランタン
オレンジ色のパンプキンをくりぬいて作るランタンは、”Jack-o’-Lantern”(ジャック・オー・ランタン)と呼ばれます。アイルランドのアイルランドやスコットランドの移民が持ち込んだと考えられていますが、History.com などによると、この名前は、悪魔と取引したケチな男ジャック(Stingy Jack)がうまく悪魔をだましたものの、死後に天国にも地獄にも迎え入れられず、火のついた炭だけを持ってさまようことになり、その炭を持ってカブの中に入ったという話に由来しています。アイルランドなどではカブやジャガイモ、ビーツを使っていたそうですが、アメリカでは手に入りやすいパンプキンが使われるようになりました。
ハロウィンの前になるとスーパーマーケットはもちろん、ファーマーズ・マーケット、ガス・ステーションなどでも大小さまざまなパンプキンがごろごろと転がされて販売されています。
各地の農場にある畑で栽培されているパンプキンを自分で収穫するパンプキンパッチで、好みのパンプキンを見つけるのもおすすめです。パンプキン・カービングのコンテストなどもありますので、ぜひチェックしてみてください。
「でも、どうやってランタンを作るの?」という人は、パンプキン・カービング(Pumpkin Carving)のキット(Kit)を買って、その説明書に従うか、インターネットでサーチしてみましょう。インターネットには印刷すればそのまま使えるカービング用の型などもあります。
ハロウィンの食べ物
ハロウィンの時期になると、”Trick or Treat” に使うキャンディなどが大きな袋に入って安売りされています。スーパーマーケットや量販店などで、パンプキンなどの形のクッキーが販売されます。また、
最近では、歯に悪いキャンディを歯医者に寄付し、代わりに歯のクリーニングをしてもらうといったユニークな試みが報道されています。
ハロウィンのコスチューム
「今年は何になろう?」 そんなふうにワクワクしながらハロウィンを迎える人もいるでしょう。コスチュームは自分で作るのも良し、お店で購入するのも良し、とにかくクリエイティブになってみましょう。もちろん、ただ妖精の耳をつけたり、悪魔の角つきのカチューシャをしたりするだけというのもカワイイですね。
プリスクールや小学校でハロウィンのパーティーをしたりすることも。大学でもコスチュームを来てやってきた教授がクラスでお菓子を配るなんていうこともあります。また、各地で大人向けの仮装パーティーも催されます。
Trick or Treat (トリック・オア・トリート)
その他の注意点はこちら
- 子どもだけで行かせず、大人が1人は付き添うこと。
- 玄関のドアベルを鳴らして、誰かが出てきたら、”Trick or Treat!” と言うこと。
- 小さな子どもが他人の家を訪れる際は、一緒にドアのところに立つか、ドアが開くところを目視できる距離にいること。
- 発光スティックや懐中電灯(電池切れを起こさないよう新しい電池を入れる)を携帯させ、光を反射して光る服を着せること。
- コスチュームやマスクは耐火性のもののみを着用させ、フェイスマスクを着用する場合は呼吸が楽にできるか確認すること。
- 子どもが親の電話番号と住所を言えるかどうか確認すること。
- 12歳未満の子どもには氏名・住所・電話番号(市外局番入り)を書いたタグを身につけさせること。
- 大きな子どもには携帯電話と地図を持たせ、帰宅時刻を決めておくこと。
- 子どもがもらってきたトリートは事前に開封された形跡がないかどうかすべてチェックすること。
- 目的地まで車で子どもを送迎する際は、飛び出しなどに特に注意すること。
また、子どもには次のことをあらかじめ言い聞かせておきましょう。
- 知らない人の家を訪問したり、知らない人からトリートを受け取ったりしないこと。
- 許可なく他人の家の中に入らないこと。
- よく知っているエリア以外には行かないこと。
- 室内・室外とも明るく照らされている住宅のみを訪問すること。
- 人が乗っているかいないかにかかわらず、自動車に近づかないこと。
- 絶対に車道を歩いたり走ったりせず、歩道を歩くこと。
- 交差点や横断歩道以外で道を横切らないこと。
- 特別なトリートをあげると言って話しかけてくる人に注意し、無理に連れて行こうとされたり体をつかまれたりしたら大声で助けを求めること。
- ペットや動物はコスチュームや異常な音に興奮する危険があるので近づかないこと。
- もらったトリートはその場で食べないこと。事前に開封された形跡がないか、親にすべてチェックしてもらうこと。