ワシントン州政府が先月30日に発表した新型コロナウイルスの接触通知ツール『WA Notify』を、12月4日午前10時時点で110万人のワシントン州民が有効化したことが、ワシントン州保健局のプレスリリースでわかりました。
この『WA Notify』をスマートフォンに追加しておくと、自分が過去2週間の間にまとまった時間を過ごした他の『WA Notify』ユーザが新型コロナウイルス検査で陽性が確認された場合、「新型コロナウイルスに感染した可能性がある」という通知が自動的に送られてくるようになります。
「接触通知の有効化は、スマートフォンを持っているほぼすべてのワシントン州民がCOVID-19の拡散を止めるためにできること。これほど多くの人々がすぐに有効化したことは喜ばしい」と保健局のジョン・ウィーズマン長官は述べています。
「WA Notify をまだ有効にしていない場合は、有効にすることを検討してほしい。オックスフォード大学とスタンフォード大学の研究によると、WA Notify のようなツールを使う人が増えれば増えるほど、地域社会をより効果的に守ることができる」
なお、『WA Notify』 は、ユーザが接触した相手に関する情報を追跡またはトレースせず、個人情報の収集や交換をしないため、新型コロナウイルス検査で陽性と判定された人が誰と接触していたかを特定する「接触追跡」(contact tracing)とは異なります。
ワシントン州の発表によると、基本的な流れは次のとおりです。
- 『WA Notify』 をスマートフォンに追加する
- 『WA Notify』 を追加した人の近くにいて、双方が Bluetooth を使っている場合、スマートフォン同士が完全に匿名で無作為のコード(random code)を交換する
- 自分が過去2週間の間にまとまった時間を過ごした他の『WA Notify』ユーザが新型コロナウイルス検査で陽性が確認される
- その人が公衆衛生局から連絡を受けて与えられた確認コード(verification code)を『WA Notify』に入力する
- 4により、その人が過去14日間にまとまった時間の接触のあった他の『WA Notify』ユーザに「新型コロナウイルスに感染した可能性がある」という通知が自動的に送られる
- 通知を受けた人が、感染拡大を防止するための適切な対策を取る
『WA Notify』 では Google と Apple が共同開発したプライバシー保護技術が採用されていますが、ワシントン州政府は、セキュリティや人権保護の専門家、COVID-19により過度に大きな影響を受けている有色人種・障碍者などのコミュニティのリーダーらが参加している監視委員会から、この技術を採用するよう勧告を受けたとのこと。これにより、所在地や個人データを収集したり開示したりすることなく機能するようになっています。
『WA Notify』 についての日本語での説明はワシントン州の公式サイトで確認できます。