ピュージェット湾に生息するオルカの個体群「サザンレジデント」の調査を行っている センター・フォー・ホエール・リサーチ(CWR) は、7月末に激しい衰弱と背びれの崩壊が見られたオスの K21 が死亡したと推測されると発表しました。これにより、サザンレジデントの個体数は74頭となります。
CWRのニュースリリースによると、7月28日に太平洋ホエールウォッチ協会(PWWA)の船から、ファンデフカ海峡で苦しそうな状態のオルカがいるとの報告と動画を受け取り、また、別のPWWA船に乗っていたCWRのオブザーバーが、さらにそのオルカの写真を撮影しました。
これらの画像から、CWRの科学者は、このオルカがオスで35歳のK21であることを確認しましたが、その時点で、K21はもう長くは生きられないと見られていました。その後、K21の姿は確認されていないことから、既に死亡している可能性が高いと考えられています。
「天候や国境の入国制限により、CWRのスタッフはこれ以上直接観察することができない。現在、カナダ漁業海洋省がモニタリングと対応を調整しており、調査地域内でK21が再発見された場合に備え、CWRはモニタリングとK21の状態の把握をサポートする体制を整えている」
CWRによると、サザンレジデントの平均寿命は20~30年と推定され、ほとんどのオスはK21のように35歳に達することはありません。
Marine Mammal Commission によると、
サザンレジデントは1960年代から1970年代にかけて射殺や捕獲が行われ、1976年には71頭まで減りました。これらの行為が禁止された後、1995年に98頭まで増加しましたが、その後はまた減少を続けています。
Good news for our beloved orca! The federal government finalized a new rule that increases protection of Southern Resident killer whale habitat to include the coasts of Washington, Oregon, and California. More info at https://t.co/2RX6c2ndcb pic.twitter.com/uVFSEOGjzb
— WA State Recreation and Conservation Office (@WSRCO) August 9, 2021
今年8月、NOAA は、サザンレジデント・オルカの重要な生息域に、ワシントン州の内陸水域で指定されている重要生息域だけでなく、ワシントン州、オレゴン州、カリフォルニア州の特定の沿岸水域を含めました。NOAA によると、今回の改訂では、米国とカナダの国境からカリフォルニア州のポイント・サー(Point Sur)までの水深6.1メートルと200メートルの等高線の間にある約16,000平方マイルが重要生息域に追加されたことになるため、個体数の増加に良い影響を与えることが期待されます。