今月9日にスターバックス(本社:シアトル)の CEOに就任したブライアン・ニコル氏は10日付のオープンレターで、同社店舗の改善に注力する方針を発表しました。
同氏は就任後初のパブリックでのコメントで、スターバックスは素晴らしい人々が働いており、愛されているブランドであること、しかし、最近の店舗視察では「我々のコアから外れつつあるという共通の認識があった」と指摘しました。
そして、米国事業に重点を置き、カフェを「快適な座席や工夫されたデザインによって、居心地の良い空間を提供し、ゆっくりと過ごせる場所」(inviting places to linger, with comfortable seating, thoughtful design)に戻し、店内飲食とテイクアウトを明確に区別することを目指すと述べています。
「一部の店舗では – 特にアメリカでは – 我が社が常に期待に応えられているわけではありません」とニコル氏。そして、「商品を売買しているだけのように感じられたり、メニューが複雑であったり、商品の品質が一貫していなかったり、待ち時間が長かったり、商品の受け渡しが慌ただしかったりすることがあります。これらの瞬間は、私たちが改善するためのチャンスです」と、同社が受けている批判を受け止めていることを伝えました。
「”高品質のコーヒーへの愛” から生まれた企業らしく最高のコーヒー体験を提供するため」に、まず、4つの改善点が挙げられています。一つ目は、バリスタへの支援を強化し、顧客一人一人に手作りのドリンクを提供できる環境を整えること。二つ目は、アメリカ国内の店舗では特に朝のサービスを改善し、常に素晴らしいコーヒーと食事を迅速に提供することを目指すこと。三つ目は、スターバックスの店舗を再び地域社会の中心として活気づけるために、店内のデザインや雰囲気を見直し、居心地の良い空間を提供すること。そして、四つ目には、同社のストーリーを再び強調し、コーヒーに対する卓越した知識や地域社会への貢献をアピールするという重要な目標を掲げています。これらの計画を実現するために、テクノロジーやサプライチェーンへの投資も進め、公式アプリを使ったモバイル注文プラットフォームを進化させる考えです。
スターバックスの公式アプリは、米国の直営店が受ける注文の約3分の1を占めていますが、待ち時間の不正確さや、店舗内での混雑を引き起こしている点で問題視されてきました。GeekWire によると、ニッコル氏は前職の Chipotle でデジタル注文システムを革新し、店舗の後方にオンライン注文専用の調理エリアを設け、新しいコンピュータシステムを導入してオンライン注文を効率化する取り組みを行ったことから、スターバックスの店舗体験を改善することが期待されています。