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相談「何をやってもどこに行っても、日々の生活・自分・夫への不満があります」

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ワシントン州認定ソーシャルワーカー
角谷 紀誉子さん

2019年3月15日付で、コンサルティングのサービスは終了しました。
【公式サイト】 www.successabroadcounseling.com

何をやっても、どこに行っても、何かしら日々の生活や自分、夫への不満などがあり、いらいらしています。アメリカで教育を受けていないので、責任のある仕事ができるわけでもありません。アメリカに来てまだ数年なのでアメリカ社会のこともよくわかっていないと痛感させられてしまうこともあり、また、自分がわかっていないことすら自分はわかっていない場合の方が多いようです。自分は社会に何も貢献していない、そう考えるとますます無気力になります。夫ともだんだん話があわなくなってきました。どうすればよいのでしょうか。

回答:結婚でアメリカに来て幸せでない人の中に、「私はもともとアメリカなんて来たくなかった、この人と結婚しなかったらアメリカには来なかった」と言う人がたくさんいます。住んでいる環境もあわない、夫も良くないとなると、アメリカでの生活は苦痛以外の何物でもありません。結婚によりアメリカに来る側は多大な犠牲を払って日本を出ます。その犠牲は後に「あなたのために日本を捨ててきたのに、その態度は何?」といった夫への不満に変わり、離婚の大きな原因になっていきます。

あなたがおっしゃる通り、アメリカで教育を受けること、アメリカ社会をわかること、社会に貢献すること、この3つはアメリカに適応する上で非常に重要なポイントです。しかし、わかっているのになぜ行動に踏み切れないのでしょうか。

「結婚するために日本を捨てた犠牲」を「夫のための犠牲」と考えると、「今度はあなたの番でしょ、一生懸命私を幸せにして」というような結論になります。だからあなたはアメリカでは受身的な態度になり、彼の「努力(犠牲)」が足りないと、「こんな人のためにアメリカにいる価値はあるのだろうか」と考えるようになるのです。なぜあなたはそんな犠牲を払ってまでアメリカに来たのでしょうか。結局のところ、結婚もアメリカ行きも、あなたが望んだことです。ということは夫のためではなく、「自分が選んだ犠牲」なのです。質問からは明確ではありませんが、国際結婚であろうと、駐在であろうと、自分で決めた限りは、「アメリカでの生活を成功させるのは自分である」という事実を受け止めなければなりません。それを「私のアメリカでの生活を成功させるのは夫であるべき」と考えるから、夫に不満を持ち、自分は自分がすべきことをしない状態を作るのです。では、日本を捨ててきた自分の犠牲はどうなるのか、夫は何も犠牲を払っていないではないか、という反論が当然出てきます。夫があなたに払う犠牲とは「私は学校に行きたいから学費を払って」「仕事に行くから家事を分担して」という類のものであり、「アメリカは合わないから、あなたがなんとかして」というものではないのです。

あなたが選んだ人生を、いいもの、幸せなものにするのはあなたです。夫は単なるパートナーであり、あなたの人生の責任者ではありません。これから学校に行って何かを身に付け、それを生かせる活動をし、「アメリカに住むのもいいな、アメリカのここが好きだな」と自分が感じられるようにするのが、これからの課題ではないでしょうか。

掲載:2007年1月

コラムを通して提供している情報は、一般的、および教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。 このコラムから得られる情報に基づいて何らかの行動を起こされる場合は、必ず専門家に相談するようにしてください。



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