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相談「カウンセリングを受けたという事実は就職に悪影響をおよぼしますか」

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ワシントン州認定ソーシャルワーカー
角谷 紀誉子さん

2019年3月15日付で、コンサルティングのサービスは終了しました。
【公式サイト】 www.successabroadcounseling.com

日本ではカウンセリングに行くとあまり良くないレッテルを貼られますが、米国で行った場合はそのデータが残って就職等に響くことはあるのでしょうか?私が考えているのはSSNを調べれば、そのカウンセリングの経歴がわかるというようなことです。

回答:アメリカで就職する際、まず履歴書での選考、電話でのインタビュー、面接を経て、あなたのことを知っている2~3の人からのリファレンス(推薦状や電話による問い合わせ)を取ります。採用が内定してから、パスポートなどの身分証明書と、アメリカで合法的に働くことができる証明書(ビザやグリーンカード)の提出が必要になります。ヘルスケアや学校など、人との接触がある職場では、バックグラウンドチェックと呼ばれる、人身犯罪記録一般(傷害、殺人、虐待、恐喝、売春など)を州政府や私立の調査機関から、本人の承諾のもとで取り寄せます。アメリカでは「人種差別・年齢差別・性差別・身体障害差別などをしません」と明言している雇用主が多いので、仕事を探す方からすると、やりやすいとも言えます。ただし、採用が決まって働き始めても、たいてい最初の3~6ヶ月は仮採用期間となっており、雇用主にはその間なら簡単にクビにできる権利があります。つまり、アメリカでは転職もクビになることも日常茶飯事だということです。

カウンセリングを受けたという記録は、ソーシャルセキュリティー番号(SSN)だけではわかりません。SSNで雇用者が確認できることは、前述の犯罪記録だけです。もし、カウンセリングを過去に受けたことのある人を採用しない職場があったとしたら、その雇用主はたくさんの良い人材を逃すことになるでしょう。カウンセリングは、教会で結婚する人には義務付けられているところもあるくらい、社会に浸透したサービスです。精神的な問題で仕事に支障をきたしているのにカウンセリングを受けない人は、カウンセリングを受けて順調に仕事をしている人よりも、査定は悪くなります。アメリカでは、問題があることはとがめず、救いの手を差し伸べ、良くなろうと努力する人にはチャンスを与えますが、問題を解決しようと努力しない人はそれまで、というような考えがあるのです。

掲載:2001年10月

コラムを通して提供している情報は、一般的、および教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。 このコラムから得られる情報に基づいて何らかの行動を起こされる場合は、必ず専門家に相談するようにしてください。



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