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マダコ (真蛸:Octopus、分類:八腕形目マダコ科)

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一般的によく知られているタコはマダコ科に属し、最大で全長60cm、体重3.5kg、寿命は2年と考えられています。餌の狩猟は夜間に行い、甲殻類を好みます。獲物に襲いかかると、カラストンビ(腕の環の中央にある大きくて鋭い口器のこと)で噛むと同時に唾液腺から出した毒で麻痺させて食べます。力ではこじ開けられない2枚貝は、殻に小さな穴を開け、そこから麻痺毒を注入して開けてしまいます。なお、自分の巣穴の清掃にはきわめて熱心で、巣穴になっている岩の割れ目の出入口には、甲殻類の甲羅や二枚貝の殻が散乱しています。

タコは現在、南北アメリカ、オーストラリアにも分布し、日本では三陸付近、また北陸から四国、九州までにある岩礁性の海岸の潮間帯から水深40mあたりのところまでに多くみられます(そのため、カキなどを食害することがしばしばあります)。いろいろな形式の蛸壺のほか、底曵き網や釣りなどで漁られ、日本ではタコ類全部で年間5~6万トン、そのうち約2万トン程度がマダコと思われます。しかし、日本では、以前はアフリカ西岸などでも日本の遠洋トロール漁船で漁獲していましたが、現在は大半を輸入に依存し、年間10万トンと言われる輸入タコのほとんどはインド洋と大西洋方面で漁れたものです。これらは日本物と区別して、アフリカ蛸と言われ、冷凍で入荷されたものが関東や関西で茹でられて加工され、市場に出回ります。

宇和島屋では現在、丸の重さ約1.5kgの蒸しダコのみを販売しています。その理由は、歯ごたえをより一層やわらかにする処理法が開発され、味も抜けることなく、美味な仕上がりとなるためです。なかなか噛み切ることができないイカおよびタコ類は、一般的に米国人は好まないと言われていますが、刺身あるいは寿司だけでなく、スパゲテイやブイヤベース、あるいはパエラなどの具財にするのか、米国人も含めたさまざまなお客様に大変好評を博しています。

掲載:2006年4月

『お魚豆知識』 は、宇和島屋鮮魚部の沖良三さんが発行している 『Seafood Newsletter』 の一部です。宇和島屋の入荷商品やおすすめ商品の情報が満載ですので、ぜひご購読ください。お申し込みは seafoodnews@uwajimaya.com まで、日本語でどうぞ。

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