アワビは耳貝科に属する巻貝で、北海道、および本州の日本海側と青森以南の太平洋岸が産地となっています。60メートルよりも浅い、水が澄んだ潮の通りの 良いところに多く、内湾や内海にはいません。その分布はワカメとだいたい同じ。と言うのも、アワビはワカメやアラメ、カジメのような褐藻類を食べているの です。殻の表面に1列の呼水孔と呼ぶ穴が4~5個あいており、殻の内側は真珠のような光沢をしています。
市場には年中入荷されているアワビの旬は盛夏時と言われますが、土地によって解漁時期が異なり、また、アワビの種類も異なるので、一概に夏ばかりとも言え ないようです。アワビは種類が多く、よく知られているものではマダカ、メガイ、クロ、エゾ、トコブシなどがあります。いずれのアワビも酒蒸・刺身・すし種、そして中国料理にも広く利用されていて、高級な食べ物です。
なかなか見分けにくいようですが、ここにその見分け方を列挙してみます。
マダカ: 殻高が高く、呼水孔壁が大きく盛り上がっており、他のアワビよりも高価。肉のへりには黒い斑紋がはっきり見える。収縮度が少なく、歩留まりがよい。
メガイ: 殻高が平たく、呼水孔壁も低い。肉辺の斑紋も薄くて目立たない。身締りがよいが、戻りが早い(軟らかくなる)と言われている。
クロ: 殻が厚く、肉に厚みがあり、肉質は硬い。アオ貝とも呼ばれる。
エゾ: 殻が薄く、ワタが大きく、厚い。
トコブシ: 殻が低く、楕円形で小形、呼水孔の数も多い。
掲載:2009年1月 更新:2020年10月
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