ウグイはコイ科の淡水魚で、東京ではハヤやかホンバヤ、東北でクキ、北陸ではウゴイ、中国、四国、九州でイダ、長野でアカウオ、山梨でアカッパラ、千葉でハラアカなどと呼ばれます。
背中側は暗褐色、腹側は白。体は円筒形で、鱗が小さく、全長が30cmより大きくなります。
生殖期になると、雄の体側には鮮やかな紅色の縞が現れます。産卵期は4~6月。
釣り魚として釣り人に親しまれている魚でもあり、市場ではマルタと呼ばれているそうです。実際のマルタ(漢字名:丸太)はウグイ亜科の淡水魚。ウグイとは体側の赤線色の有無で区別されるようですが、同種であるとも言われています。
コイ科の仲間は一生を淡水域で過ごす一次性淡水魚ですが、ウグイ亜科のみサケの仲間に見られるように、一生を淡水域で過ごす陸封型と、一時期海で過ごす降海型の2種類があります。塩焼、煮付、南蛮漬けにするとうまいとされています。
天然ものが良いとされているようですが、台湾では養殖ものが多く、石斑魚(スーパァンユエと発音する)と呼ばれ、春節(旧正月)などの祝いごとに御頭付きで調理される高級魚のようです。
調理法は内臓を除去して蒸した後、刻んだネギをあしらい、大さじ2杯分の熱した油を魚の表面にかけるだけ。フライパンに油をひいて焼く場合は、塩コショウで味付けをするようです。
宇和島屋でも英語名 "dace" で中国人向けに春節の特売品として毎年のように販売してきましたが、残念ながらこの数年入荷がありません。
掲載:2010年6月
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