イシモチあるいはグチと呼ばれることもあるニベ類。全身がほぼ一様に光沢のある銀白色をしており、頬には暗色班が一つあるのが特徴で、ややずんぐりとした体型です。
インド洋、太平洋海域に分布し、日本では東北以南の水深20~140mほどの泥底から底曳き網などで漁獲されます。
白身で柔らかく、塩焼きや煮付け、唐揚げやバター焼き、干物など、さまざまな料理法に合います。弾力のある練りものにも適していて、東シナ海で漁獲されるものの多くが練り製品の原料になります。開発途上地域では、身近な漁場から獲れる重要な食用魚でもあります。
筆者の営業経験からですが、昔から日本人よりも中国系や韓国系に非常に人気があり、”frozen yellow croaker” や “yellow corvina” という商品名でよく売れていました。中国および台湾では黄魚と呼ばれますが、40cmほどの体長のものは珍重され、内臓を取り出してからスターチを全体に薄くつけ、丸ごと唐揚げにし、スイート・アンド・サワー・ソース(甘酢)をかけた料理にするようです。
宇和島屋では “yellow croaker” の名称で、冷凍品で販売し、欠品のできない重要な商品です。