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アメリカでの不妊治療体験記 最終回 妊娠成功

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トランスファーを終えても、薬の服用は続きました。今度はプロゲステロン製剤(Progesterone)を経膣的に1日3回服用。10日目には病院で血液検査による妊娠検査を受けます。これまで注射してきたものの影響で、市販の妊娠検査薬では正しい結果が出ないとのことで、血液内の HCG のレベルを見て判断しなければなりません。その日から血液検査までは、なるべく妊娠のことを考えないようにしました。また失敗した時のために、気持ちの準備をしておこうとも考えていました。

いよいよ、トランスファーから10日目。早朝に病院に行って血液を採取した後、勤務先に出社しましたが、午後になって携帯に電話があり、「血液検査の結果、妊娠していることがわかりました」と報告を受けました。HCG の数値が50以上あればいいそうですが、私の場合は166でした。電話では落ち着いて受け答えをしていましたが、「成功したんだ」という事実を少しずつ理解し、しばらくしてからようやく夫にテキストメッセージで伝えることができました。

それから3日後に行った2度目の血液検査でも、予定通り HCG の数値が2倍以上になり、妊娠が正式に決定しました。もちろん、安定期(12週以降)に入るのが最初の安心の目安となりますが、自分が妊娠したことが信じられない思いでした。

その後、私の妊娠は順調に続き(細かい問題はいろいろとありましたが、今から考えてみればどれも小さなことでした)、約9ヵ月後に無事、出産しました。妊娠したいと思った時から数えると、5年ぐらいかかったことになります。

今、子供の顔を見ながら感じるのは、さまざまなことへの感謝と喜びです。一昔前なら不可能であったことが医療技術の進歩によって可能になったことへの感謝、たくさんの人々がこの子が生まれることに関わってくれたことへの感謝、こうして子供が無事に生まれてきてくれたことへの感謝、そして、この子の母になることができたことへの感謝と喜び。こういった感情はこれまでに感じたどんなものとも異なり、奇跡のようなものも感じます。

不妊の原因はさまざまです。当然ながら、女性にだけ問題があるわけではなく、男性に問題がある場合がありますし、両方に問題がある場合もあります。担当医に聞いたところによると、男性が自分のプライドのために治療を拒否したり、女性のせいにしたりすることもあるそう。相手を非難しても仕方ありません。愛し合う2人が望む結果を得られるよう、よく話し合って、不妊治療に臨んでみてください。

つたない文章ですが、不妊治療を検討している方などのご参考になれば幸いです。

筆者プロフィール:30代に入ってから不妊治療を開始。タイミング法や人工授精での失敗を経て、体外受精に挑戦し、その結果、子供を授かることができました。不妊治療を受けようとしている方、不妊治療中の方の参考になればと思います。

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