ワシントン州内にある公立学校の校舎の多くが大地震に耐えられる構造になっていないことが、ワシントン州天然資源局の発表で明らかになりました。
この調査はワシントン州議会が資金を提供し、州全域の75学区すべての公立学校施設の耐震性能を記録することを目的としたもので、今回はワシントン州にある4,444棟の学校校舎の5%近くにあたる、94の学校キャンパスにある校舎222棟が対象となりました。
ワシントン州は1975年に州全域で耐震基準を導入しましたが、強化されていないレンガやコンクリートを使ってそれ以前に建設され耐震改修工事がなされていない建物は、地震による損傷・倒壊の危険性が高くなります。
シアトル・タイムズは、「これらの222棟の大半は、大地震後には利用するのが危険とされ、約4分の1は修理不可能となり、43%は死者が出る危険性が "high" または "very high" となっている」と指摘。「ワシントン州の大地震に対する脆弱性についての理解はここ数年で高まっている」ものの、同紙が2016年に行った調査で、「ワシントン州の学校に就学している子ども約386,000人(当時)の3人に一人は地震が発生する地域に住み、1975年に州全域で耐震基準が導入される前に建設された学校に通学している」ことが判明していたと報じています。
カリフォルニア州・オレゴン州、そしてカナダのブリティッシュ・コロンビア州は学校校舎の耐震改修工事を優先していますが、ワシントン州法ではそうした工事が義務化されていないため、遅れを取っているそう。
KING5によると、州全域の公立学校で耐震性評価を実施した州は、西海岸ではワシントン州が最後。シアトル公立学区は学校校舎の耐震改修工事を優先していますが、ワシントン州内で資金が少ない地域ではそうした対策を取ることが難しいため、ワシントン州政府による政策と予算の確保が望まれます。