30代後半で「働くお母さん」の仲間入り。何もかも「初めて」の息子と一緒にいろいろな発見をさせてもらっています。20年以上住んでいるシアトルも、親子になるとまだまだおもしろいことがたくさん隠れているものですね。シアトルのお気に入りを息子に紹介しながら、「ここに自分の子供と来ることになるとは!」と、しみじみする日々です。
正確に言えば、昨年夏にカナダのバンクーバーまで息子と二人でアムトラックで行ったのが「初の母子二人旅」なのかなと思いますが、飛行機で、それも太平洋を往復しての初めての母子二人旅、なかなか緊張しました!
息子と日本に行くのはこれで三度目。でも、生後10ヶ月の時も1歳10ヶ月の時も夫が一緒だったので、3歳半での今回の旅とはやっぱり安心感が違いました。
すべてのフライトで最大の懸念はやはり、「シアトルから成田まで、いかに無難に過ごすか」。
これは幼い子供連れで飛行機に乗る時に、たいていの人が一番悩むところですよね。
かつて飛行機は静かであるべきものだと思って乗っていた時、泣き叫ぶ赤ちゃんにゲッソリし、座席の背中を蹴ってくる子供(と、それをやめさせられない親)に腹を立てていた私です。なので、フライトでは周りの人たちも子供も快適に過ごせるようにできるだけのことをするつもりでした。
何週間も前から飛行機の話をしたり、飛行機では普段見せてあげない DVD を見てもいい、好きな食べ物を持ち込んで食べていい、普段はあまり飲ませてあげないジュースも飲んでもいいと約束したり、「どのおもちゃを持っていこうか?」と話し合ったりして、盛り上げていきました。そしてもちろん、息子の好きなステッカーブック(シールを貼る本)のレゴ版を買ってこっそり持参して喜ばせるなど、いろいろ作戦を立てました。
そして、いよいよ当日。
今回はダディは行かないことに納得してはいたものの、やっぱりお別れの時に泣くかなと思ったら、ハグした後は「バイバーイ」。
なんだ、軽いもんだ。
それからセキュリティでは持ち物を検査してもらうこと、エスカレーターは抱っこではなく必ず手をつないで乗ること(日本では親子が手をつないで乗るステッカーがエスカレーターに貼ってあるので、3歳児もすぐ理解できますね)、シータック空港の連絡線は電車みたいであること、自分がこれから乗る飛行機が窓から見えることなど、いろ~んなことがエキサイティングだったようです。
航空会社は ANA。期待通りの丁寧かつ笑顔の美人 FA に、息子はすっかりご機嫌。「あの人に何か飲み物を持ってきてもらいたい」とか言ったり、ちょっと電車の車内販売と勘違いしているフシはありましたが・・・。
それからは、離着陸の時に耳が痛くなってお水を飲みながらちょっとグスングスンとした以外は、座席ですわってステッカーブックをしたり、映画を見たり、昼寝をしたりと、模範的行動。トイレにタイムリーに行けなかったときのためにオムツをはかせるつもりでしたが、「はきたくない。トイレに行くってちゃんと言う」との本人の意見を尊重したら、トイレも成功。昼寝したときはちょっとひやひやしましたが、大丈夫でした。
そうして成田に着いて、「やったー!」と一安心。すると、後ろの座席にすわっておられた日本人男性が、「ずっといい子にしてましたね~!」と、わざわざ声をかけてくださったので、思わず涙しそうになりました。自分でも自覚していた以上に緊張していたようです。
しかし、そこから大阪の伊丹に行く飛行機までの待ち時間が長く、伊丹までのフライトで息子が爆睡。約18キロの息子を片手で抱え、両肩に機内持ち込み荷物、片手に大型スーツケースというのはキツイ!夫が一緒に来られてたら・・・と思った瞬間でした。
掲載:2014年5月