シアトルを代表するシェフの一人で、シアトル市内に16軒のレストランを展開しているトム・ダグラス氏とそのレストラン・グループが、元・現職員1,360人が起こした集団訴訟で240万ドル(約2億6205万円)を支払うことで和解しました。
同氏が経営するレストランでは、2016年にシアトル市が最低賃金を時給9.19ドルから15ドルに引き上げた際、そのコストを補うためとして飲食代の一律20%を「サーチャージ」または「サービス料」という名目で加算し、顧客に請求する方式を導入しました。
しかし、Eater によると、原告の元・現職員は、この方式ではチップを受け取らないにもかかわらず、顧客が支払った20%のサービス料のうち職員に分配される割合が適切に公表されず、また、十分な休憩と食事休憩を提供していなかったとして、訴訟を起こしていました。
ワシントン州法では、20%のサービス料の何割が職員に支払われるのかをメニュー、または請求書に明記することが義務付けられていますが、シアトル・タイムズによると、原告は同氏が経営するレストランの一部のメニューや請求書にはサービス料の分配について明確な説明がなく、顧客と接する業務の職員には平均14%が提供されていたと主張していました。
この訴訟では裁判は行われず、原告と被告が過去数ヶ月にわたる協議の末、トム・ダグラス氏とそのレストラン・グループが、元・現職員に240万ドル(約2億6205万円)を支払い、また、200ドルのギフトカードを1,360人の原告全員に提供することで合意にいたりました。また、8月1日には職員が職場での懸念について報告できる非公開のホットラインが設置され、監督者には職員の権利に関する訓練が継続的に行われるようになっているとのことです。