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シアトル市議会、チョークホールドや催涙ガスなどの使用禁止を全会一致で承認

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シアトル市議会は15日、警察による人種差別と残虐行為に抗議してほぼ平和的なデモを行っていた人々に対し、シアトル警察が催涙ガスや催涙スプレーなどの群衆制御兵器を繰り返し使用したことを受け、「チョークホールド」(相手の首に腕をまわし圧迫して拘束する方法)や催涙ガスなどの群衆制御兵器の使用・所有・購入・レンタル・保管、警官のバッジ番号を喪章で覆うことを禁止する法案を全会一致で承認しました。

先月25日にミネソタ州ミネアポリスでジョージ・フロイドさんがミネアポリス警察に殺害されたことを受け、シアトルでも先月29日から警察による人種差別と残虐行為に対する抗議活動が始まりました。

シアトル警察が催涙ガスや催涙スプレー、閃光弾を繰り返し使用し始めたのは、抗議活動2日目の5月30日。暴動や略奪、警察に石やボトルが投げつけられたことへの対応と発表されましたが、さまざまなジャーナリストによる報道、一般人の撮影した動画、市・郡・州の議員や政府職員も含む抗議活動参加者の証言などから、平和的な抗議参加者も標的とされていたことが判明しました。特に、人口密度の高いキャピトル・ヒルの東分署のそばに築いたバリケードで何度も使われた催涙ガスが周辺の住宅の中まで入り込んだことや、今月5日に市と警察が催涙ガスを使用しないと発表した数日後の8日未明に再び催涙ガスがキャピトル・ヒルで使用されたことに、さらに批判が高まりました。

30日にダウンタウンで起きた暴動では、シアトル警察の警官が拘束してうつぶせにした男性の首に膝を乗せるという、フロイドさんが受けた行為と同じ行為をし、同僚に膝をどかされる様子をとらえたビデオがソーシャルメディアで拡散されています。

こうした状況を受け、警官が群衆の制御や鎮圧に "不必要な暴力" を使用することを容認することは、警官の残虐行為と人種差別に反対する抗議活動参加者の憲法修正第1条に定められた言論の自由を侵害し、住居内での安全を保障する憲法修正第4条も侵害しているとして、Black Lives Matter シアトル・キング郡支部、抗議者、ジャーナリストを代表し、コレマツ・センター、パーキンス・クイ法律事務所がシアトル市を相手取って連邦地方裁判所に訴訟を起こしました。Black Lives Matter シアトル・キング郡支部が主催したサイレントマーチが行われていた12日午後、米国地方裁判所は抗議者に対する化学薬品の使用を禁止する仮差し止め命令を出しています。

警察説明責任局(OPA)が5月29日から5月30日までの3日間に受け付けたシアトル警察に対する苦情は約1万2000件にのぼり、その中には警官がバッジ番号を喪章で覆って個人を特定できにくくしていたことも含まれていました。当初は喪章をつけることを支持していたシアトル警察は4日、警官にバッジ番号を喪章で覆わないよう指示を出しています。

シアトル・タイムズは、「これら3つの議会法案は、警察による黒人の殺害、警察の残虐行為、組織的な人種差別に抗議するために何度も行われた市の対応に対する市民の怒りを受けて書かれたもの」と報じています。

シアトル市議会は先週、警察の年間予算4億900万ドルに対する調査(inquest)を開始しています。



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