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阪神・淡路大震災から20年 シアトルでも追悼式を開催

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神戸市を中心とした広い範囲に多大な被害をもたらした阪神・淡路大震災の発生から今年で20年。神戸市の姉妹都市シアトルのシアトル・センターでも、地震が発生した1月17日(日本時間)にあわせ、16日正午から追悼式が開催された。

阪神・淡路大震災

前日からの小雨が上がり、晴れ渡った空の下、神戸市から贈られた「神戸の鐘」には、追悼式を主催した神戸市シアトル事務所、兵庫県ワシントン州事務所、シアトル・神戸姉妹都市委員会、桜祭実行委員会、ワシントン州日米協会の関係者、そして兵庫県出身者ら60人が集まった。

挨拶に立った在シアトル日本国総領事館の大村総領事は、失われた命に哀悼の意を捧げ、シアトルからの支援に感謝するとともに、神戸市にある「人と防災未来センター」を訪れた際に「この震災を忘れず、貴重な教訓を活かさなくてはならない」と改めて感じたと述べた。また、シアトル市のエド・マレー市長やワシントン州のジェイ・インスリー知事は、代理人を通じ、「神戸から教訓を学んだ」「神戸の復興は地域と人の相互協力の賜物」と述べた。

阪神・淡路大震災

Brian Chu, Hyogo Business and Cultural Center

シアトル高野山・シアトル日蓮仏教会・シアトル仏院による追悼法要が行われた後、参加者全員が神戸から分灯した「1.17希望の灯り」をロウソクに移し、黙祷を捧げ、神戸の鐘をついた。

阪神・淡路大震災

Brian Chu, Hyogo Business and Cultural Center

アーモリー内で行われた懇親会では、建物や道路が倒壊した20年前の写真と、建て直された現在の写真が展示され、阪神・淡路大震災で被災した神戸出身の出席者らは、昨日のことのように覚えている自らの体験を語り合った。遠い外国で故郷の日本に思いを馳せることは日常茶飯事とは言え、震災当時の記憶がある被災者や神戸出身者にとっては、阪神・淡路大震災は常に心のどこかにあり、震災の日はさまざまなことに思いが及ぶという。

阪神・淡路大震災

Brian Chu, Hyogo Business and Cultural Center

2011年に起きた東日本大震災の被害の大きさから、あまり語られなくなっている阪神・淡路大震災。震災の年に生まれた人が20歳になるという長い時間を経て、神戸は表面的にはすっかり復興したかのように見える。しかし、今も復興住宅に約2万世帯が暮らし、その半数は65歳以上となり、孤独死や日常のちょっとしたことでも手伝いが必要な状況にあるのも一つの現実だ。震災の記憶を語り継ぎ、防災や災害時の準備などに活かし、さらなる心のケアや日常生活の手伝いなど、今のニーズに臨機応変に対応していく。「風化させない」ということはどういうことか、改めて考えさせられた。

掲載:2015年1月

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