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「日本とアメリカ以外も見てみたい!」シアトル留学中に2ヶ月かけて世界一周 日本人大学生 Q&A

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ドイツのフランクフルトで出会った元フライトアテンダントの方々と田部井愛理さん

「世界一周してみたい!と思ったことがある方、手を挙げて!」と言えば、たくさんの手が挙がりそうですよね。

それを実行するのに必要なことは人それぞれ異なりますが、社会人を取材する企画をジャングルシティに持ち込んでくれたワシントン大学の田部井愛理(たべい・あいり)さんに必要だったのは「勇気」。自分なりのルートを作って、丸々2ヶ月、いろいろな国をまわってきた田部井さんに、簡単にインタビューしてみました!

もくじ

世界一周、やるなら今!

ーなぜ世界一周をしてみようと思ったのですか?

世界一周をしてみたいと思った理由は、知らない世界をこの目で見たかったからです。小さい頃からずっと挑戦してみたいとは思っていたのですが、勇気が出なくなかなか実行できませんでした。でも、ジャングルシティでの「社会人インタビュー」を通して、思い立ったら行動することの大切さが身にしみたので、夏休みの出発2週間前にチケットを取って決行しました。

中国・北京の万里の長城

ー旅行の行程はどんなふうに決めたのでしょう?

スターアライアンスの世界一周券で周りました。右回りか左回りかを決め、訪れたい都市を選び、一定のマイル以内で収まるように一本の線で繋いでマイル数を計算しながら最終ルートを作成します。細かいルールがたくさんあるので、スターアライアンスの公式サイトで最新情報を確認することが大切です。

そして、ゆっくり自分のペースで旅をしたいという「ゆるさ」と、行きたいところを「直感」で決めて作ったルートがこれです。

日本(東京)→中国(上海、西安、北京)→トルコ(イスタンブール、カッパドキア)→ギリシャ(アテネ、サントリーニ島)→ドイツ(フランクフルト、ブレーメン)→デンマーク(コペンハーゲン)→スウェーデン(マルメ)→ドイツ(ベルリン)→チェコ(プラハ)→オーストリア(ウィーン)→スロバキア(ブラチスラヴァ)→ハンガリー(ブダペスト)→クロアチア(ザグレブ)→スロベニア(リュブリャナ、ブレッド)→イタリア(ヴェネツィア、ミラノ、ティラーノ)→スイス(クール、グリンデルヴァルド、ツェルマット、ジュネーヴ)→フランス(リヨン、コルマール、ストラスブール)→ベルギー(アントワープ)→ルクセンブルク→ドイツ(フランクフルト)→カナダ(モントリオール)→日本(東京)

トルコのイスタンブールのガラタ塔付近の路地から眺めた街並み

インターネットやガイドブックだけの情報に頼らず、思いつきで行動してみると、旅の自由度は格段に上がり、定番の観光ルートでは味わえないワクワク感や偶然の出会いがあるんですね。観光地から外れた小さな街、例えばルクセンブルクやスイスのティラーノにも行ったのですが、飾らない、ありのままの生活に入り込むことができ、惹きつけられました。

ー費用はどのくらいかかったのですか?

航空券は一部マイレージを補ったので、燃料チャージ料、航空税や保険で約10万円、旅行中にかかった費用は約60万円です。節約のため、コスパが良いパスタとトマトチューブを持ち運び、宿泊は相部屋のドミトリー、都市部での移動手段は徒歩を心がけました。でも、物価の高いヨーロッパ中心の旅で、長距離移動が多く、美術館などの入館料もかさんでしまい、想定していた金額をかなり超えてしまいました。

トルコのカッパドキアでの熱気球ツアー。朝日を浴びながらカッパドキアの岩窟群を空から眺めました。

ー宿泊先を選ぶ時に使った方法は?

短い期間でたくさんの都市を訪れたかったので、アクセスの良い場所を優先的に選びました。「現地を知る」という面でAirbnbは良い手段だと思ったのですが、宿泊前のオーナーとやりとり、正確な住所が表示されないなど、気にかけなければいけない点が多く、不便を感じました。その点、Booking.com は、欲しい情報が簡潔に載っていて、すぐに予約でき、とても便利でした。

ーシアトルでの生活が役に立ったことはありますか?

シアトルでの留学生活を通して、わからないことはすぐに聞く、自分から行動する、相手のことを理解しようとする習慣が身についていたおかげで、大きな失敗はしませんでした。

そして、留学で身につけた英語は、宿泊先の予約、航空券の手配や空港でのやりとりなどの重要な手続きはもちろん、行く先々で出会った人との会話に役立ちました。旅先ではとにかく積極的に人と話すようにしたおかげで、思いがけない話が聞けたり、その国の歴史や最近の情勢などについて地元の声を聞けたりと、また違った視点から街を見ることができたと思います。

サントリーニ島の中心地、フィラの眺め

まさかの体調不良。睡眠・食事・水の三原則

ー大変だったことは?

旅に出てすぐは下調べに時間がかかり、さらに中国では睡眠不足や不規則な食事で風邪をひき、あまり水を飲まなかったので脱水症状になり、熱中症になってしまいました。

ーそこでどんな対策を?

せっかく素敵な景色や人々に出会っても、体調が優れていないと100%楽しむことができないのは残念すぎます。それからは、少しでも異変を感じたら思い切って休み、毎日3食と野菜も取り、水分補給を常に心がけるようになりました。

ヴェネツィアから船で約45分のブラーノ島の家々。
暗い中帰ってくる漁師たちが自宅をすぐに見つけられるよう、明るい色で塗られています。

ネットとiPhoneとiPadを駆使

ー旅先での情報収集は?

コンピューターは狙われやすく重量もあるので、iPhoneとiPad、リチャージ用のバッテリーだけにしました。ドミトリーによってはアウトレット(電源)が少なかったりするので、効率よく充電することも旅において大切でした。

ー他にはどんな工夫を?

Wi-Fiのみで過ごしたので、各地の翻訳アプリと地図を事前にダウンロードし、インターネット環境がないところでも使えるようにしておきました。一つの情報源に絞らず、調べた情報はとにかくスクリーンショットで画像として保存しました。緊急時はカフェのWi-Fiを使いました。

いつでも誰かが助けてくれた、あたたかい世界

ー旅ならではの体験を聞かせてください。

クロアチアのザグレブでは、ホステルで出会った人たちと庭で夜遅くまで語り明かし、中国の西安では、日本語を勉強している学生が日本語で一生懸命書いたお礼の置き手紙を枕元に置いてくれていました。彼女にとって私が初めて出会った日本人だったそうで、彼女が日本語を話して嬉しそうにしている姿に心がとても温かくなりました。

熱中症になったギリシャのアテネでお世話になった古本屋さんの店主

他にも、体調が悪化した時に寄った中国の西安にある薬局で、私の体を労ってくれた薬剤師さん、私が薬を買えるように通訳をして助けてくれたお客さん、ドイツのフランクフルトにあるレストランで出会ってから地元を案内してくれた元フライトアテンダントの優しいおばあさん。国籍を問わず、たくさんの人たちの優しさに心から救われました。

今までテレビやニュースでしか知らなかった世界を目の当たりにし、新しい発見をしたり、考えが深まったりして、毎日が新鮮でした。そして、バックグラウンドが全く違う人たちと出会い、彼らが誇りに思っている各国の歴史や伝統文化を知ることができたことで、物事の捉え方は決して一つではないこと、世の中にはいろいろな考え方を持った人たちがいて、お互いを尊重し、助け合い理解し合うという、忘れられがちな基本の大切さが身にしみました。

スイスのマッターホルン。ずっと天気が悪かったのですが、滞在最終日は快晴に恵まれました。

ー今後挑戦してみたいことは?

今回訪れた都市は世界のほんの一部にすぎませんが、まだまだ知らない世界が広がっていることがよくわかりました。

今回は時間や予算、マイルの関係で北半球しか回れなかったので、次回は南半球に挑戦したいです。そして、次回はさらに地域に踏み込んで、失われてはいけない文化や、世界で起っている現状など、人々と深く関わってそれを世界に発信するような活動をすることができればと考えています。

ーありがとうございました!

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