キング郡の路線バスのメトロは8月末まで運賃が無料となっていますが、「せっかく無料なのに、利用者があまりいないのはなぜ?」という質問がありました。
今年は年が明けてからずっと新型コロナウイルスの感染対策が続いています。その一つが、他人との接触を可能な限り避けること。
そもそも運賃が無料となったのは、「無料にして利用者を増やそう」「無料なので、どんどん乗ってください!」ということではなく、「運転手のそばにある機械に近寄って運賃を支払うことで感染の可能性が高まるのを防ぐ」ということが理由で、メトロの公式サイトに詳しく掲載されているように、ワシントン州全域に自宅待機命令が出された2日前の3月21日に運賃が無料になりました。
その後、4月16日にキング郡メトロの運転手が新型コロナウイルスに感染して亡くなり(シアトル・タイムズ)、キング郡メトロはその翌週の4月23日からバスの大きさによって最大12人または18人までと、人数制限をしています。車内では、マスクが必須で、他人との接触を可能な限り避け、身体的距離を6フィート(約2m)以上維持する必要もあるため、一部の座席は座れなくなっています。
運行スケジュールを縮小しているのも、感染拡大を鈍化するためですね。こうした対策の詳細はメトロの公式サイトに日本語でも説明が掲載されているので、利用する前にぜひご一読を!
そして、本当に利用者があまりいないのかどうかですが、キング郡メトロの8月7日付の発表によると、7月27日~31日の平日の平均利用者数は14万4000人で、昨年の39万5000人を63%下回る約ものの、7月上旬の14万2000人から増えています。3月頃から運休していた路線の一部を再開し始めていることが、利用者の増加につながっているのかもしれません。
でも、利用者数は路線によってかなり幅があります。7月27日~31日で最も利用者数が多かったのは RapidRide E Line のオーロラ・ビレッジからダウンタウン・シアトルまでで(8,581人)、次が7番のレーニア・ビーチからダウンタウン・シアトルまで(7,582人)だったそうです。キング郡メトロの Facebook のコメントを見てみると、メトロの混み具合は路線によってかなり異なりますね。また、苦情の中にはとても混んでいる路線(ユニバーシティ・ディストリクトからダウンタウンへの通勤バス)についても触れられているので、「せっかく無料なのに、利用者があまりいないのはなぜ?」というのも、メトロが運行している何十本もの路線のうちの一つを利用した時に、たまたまあまり利用者がいなかっただけかもしれませんね。
ちなみに、サウンドトランジットの路線バスやライトレール、通勤列車などは、7月1日から再び有料サウンドトランジットの路線バスやライトレール、通勤列車などは、7月1日から再び有料となっています。でも、こちらも不必要な外出を避けるために利用者が減っているので、運行本数は減らしています。