2018年8月3日、シアトルのランドマークの一つ、スペースニードルに、世界初のガラスの床の回転展望台がオープン!さっそく行ってきましたー!
仕事でもプライベートでも、何度も行っているスペースニードル。2017年9月からスペースニードル史上最大規模の改築工事が絶賛実施中なのですが、この「ガラスの床の開店展望台」が一番の目玉。なぜなら、世界で “回転している” 床の展望台は、このスペースニードルにしかないのです。
エレベーターまでの通路は、スペースニードルの歴史やトリビア、建設当時の時代背景についての展示が並んでいます。ふもとからてっぺんの照明までの高さは605フィート(184m)であること、1962年3月24日に展望台が初めて一般にオープンしたこと、完成時にはさまざまな雑誌の表紙を飾ったこと、1962年の入場料は1ドルだったこと、などなど。貴重な写真の数々は、時代の流れを感じさせますね。
取材時に案内されたエレベーターは、まるでそれ自体が工事中のように壁に木の板が打ち付けてあり、一瞬、「大丈夫なのかなあ」と(汗
そして、エレベーターで一気に地上520フィート(158.5m)の展望デッキまで上がります。その間、43秒。
改築工事の前に来たことがある人は、エレベーターを降りると、まず「明るい」と感じるかもしれません。それもそのはず、今回の大改築で、この展望デッキは内側は足元から天井までの巨大なガラス張りとなり、外側を一周できる通路も外壁とワイヤーが取り払われ、外側に斜めにせり出した特別仕様のガラスに差し替えられているのです。つまり、今回の大改築の主役は「ガラス」。使われているガラスの総重量は176トン以上。と言われてもピンと来ませんが、とにかくすごい量だということですね!(笑)
展望デッキの売店では軽食やドリンクが販売されています。もちろん、エスプレッソ・ドリンクも。
そこで、アイスアメリカーノとオリンピック・マウンテン社のアイスクリームでホッと一息。1スクープのはずが、巨大な2スクープも入れてくれました(シアトルではよくある大きなおまけ。半分の量でいいから、値段も半分にしてほしいとかブツブツ・・・)。
中から外に出るドアは3ヶ所にありますが、これも以前と違ってフレンチウインドウのようになっているので、出入りしやすく、外と一体感があります。
外はほんの一部がまだ工事中。現時点で95%完了とのことでした。
ここでは、斜めにせり出しているガラスに沿って後ろに傾いたガラスのベンチ 『Skyriser』 にすわりましょう。すわってガラスにもたれると、両足がつかなくなり、まるで落ちていくかのような錯覚に・・・冷や汗・・・
さて、展望台を堪能したら、次はいよいよ、世界初のガラスの床の回転展望台 『The Loupe』 へ!
展望台から20フィート下の地上500フィート(152.4m)にある回転展望台には、『Oculus Stairs』 と呼ばれる階段で降ります。
だいたい6メートル下がっただけなので、見える景色は上の展望台とそこまで変わりません。
ですが、降りたところはほとんどすぐガラスの床が動く回転展望台です!
さっさとガラスの床に歩いて行って “Wow!” とか言いながらすぐに下界の眺めを堪能している人もいましたが、私はすぐに足を踏み出すことができませんでした。無理無理・・・
ま、何かあってガラスが割れて下に落ちたら到底助からない高さですから観念して(?)一歩踏み出すべきなのでしょうが、いやいや、そうは言ってもサクサク行くことができません。
なので、ガラスではないところに立ってちょっと様子見をすることに(苦笑)。
すると、実は私と同じような人が少なくなく、こっち側の人たちと、あっち側(ガラスの床)の人たちで分かれています。そんなわけで、なんだか仲間同士という親近感からか、「無理だよねー」「無理無理」と、スモールトークも始まります。
ちなみに、このガラスは強化コンクリートのようにカスタムデザインされたもので、カナダとドイツとアメリカ(カリフォルニア州)で造られて運ばれてきたものなんですね。コードで指定されている強度の5倍の強度があり、12個のモーターがぐいぐい回しています。その様子もガラスの床越しに見ることができます。
ちょっと慣れてきたので、片足だけガラスの床に置いて立ってみました。これだけでもなんだか汗をかいてしまいますね。ふと見ると、あちらこちらでガラスの床に寝転がってセルフィーを撮ってるツワモノたちが。すごいの一言です。
何しろ今回のスペースニードルの大改造は『The Century Project』と呼ばれる、民間資金1億ドルを投じた、スペースニードル史上最大規模の工事。1961-1962年に建設された当時に投じられた金額が450万ドルだったことからすれば、今回の工事にかけた費用で、当時であればスペースニードルを3つぐらい建てられたことになるのです(一つでいいけど)。
そうしたことを聞きながら、ついに、一歩、また一歩!ガラスの床を歩いてみました。ひゃー、スリル満点!!!
はるか下に見えるのは、ワシントン州を代表するガラス作家、デール・チフーリの作品を展示したチフーリ・ガーデン&ガラスですね・・・
ガラスの床の上に立っていたら、スタッフの方にこんなステッカーをもらいました。
“floor” を動詞で使う場合、直訳すると「床に打ち倒す」という意味になりますが、この場合は、「この眺めにやられた!」という感じでしょうか。
しかし、スリルありますねー!でもこれなら前よりもスペースニードルに行く価値がある気がします!
このガラスをどのようにしてきれいにしておくのか?なんと、フルタイムのガラス掃除担当チームがいて、総面積20,000平方フィートのガラスを磨いているそうです。週3-4回は水をはじくものを塗っているそうで、雨があたっても粒になって流れ落ちるとのことでした。
ちなみに、展望レストランは2018年の終わりに再オープンを予定しています。
いかがでしたか?高いところが怖くない方は、ぜひこのガラスの床の回転展望台 『The Loupe』 に行ってみてください。なにせ、世界初ですので!
【注意】この日はふもとのチケット売り場にざっと見て100人は並んでいました。でも、事前にオンラインでチケットや CityPass を購入しておくと、行列に並ばなくてすみます。ちなみに、オンラインでも、スペースニードルのチケット売り場でも、チケットは入場したい日時をあらかじめ選んで購入する方式になっています(timed ticket)。オンラインで購入したら、スマホ画面でチケットを見せてスキャンしてもらい、係員の指示に従ってエレベーターへ。なお、年中無休ですが、特別なイベントや祝日などの関係で休業になる時もあります(大晦日の夜はカウントダウンの特別なイベントがあり、事前にチケットを購入する必要があります)。