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シアトル留学生カフェ探訪 第25回 『Cafe Weekend』

みなさん、こんにちは!真洋です。いかがお過ごしでしょうか。

シアトルの夏は日本とは違い、沸騰するような暑さはなく、わざわざ日向に出たくなるような、気持ちの良い爽やかな天候です。日本の夏では汗ジミが気になり、着ることができない灰色と水色のTシャツも、シアトルの夏では着ることができます!

美羽さんからの紹介にもあったように、8月の中旬辺りでカフェでのプチライブイベントを企画しています。詳細は追ってジャングルシティさんや僕のインスタグラム(@seattlecoffee2017)でも告知いたしますが、日本からクラリネット奏者の方がシアトルに来られ、こちらでバンドを組み、2つのカフェにて生演奏をする予定です。

いつもと変わらないカフェに、優しい音楽が寄り添う素敵な空間になると思うので、ぜひ皆様にもお越しいただきたいです!

他のメンバーも触れているように、僕のこのブログも残りわずか2回となりました。これまで「カフェ×◯◯」をテーマにカフェをピックアップしてきましたが、残り2回はテーマを無視して僕が皆様に行っていただきたい、個人的にお勧めするカフェについて書きたいと思います。

それでは、『シアトル留学生カフェ探訪』 第25回のスタートです!

Cafe Weekend

シアトルのダウンタウンの東、最近はアトランティックと呼ばれるようになったエリアに店を構える 『Cafe Weekend』。この辺りに住んでいない限り訪れる可能性は少ないであろう住宅街で、前から目をつけていていつかは訪れたいと思っていたのですが、ベルビュー・カレッジからも家からもダウンタウンからも若干行きづらく、かつ毎日14時には閉まってしまうのでなかなか行くことができずに、僕の中では幻のカフェとして位置付けされていました。

店の中に入ると、正面に明るい色の木でできたカウンターがあり、その横や後ろには瓶に入ったカラフルな飴や本、観葉植物などがセンス良く並べられておりました。左手には黒板のような壁に手書きのメニュー。街の小さな駄菓子屋さんのような、雑貨屋さんのような、そんなワクワクするような雰囲気が漂っておりました。そしてカウンター横の扉を抜けると同様にカラフルなグッズが散りばめられた広く開放的なスペースが広がっています。

僕が前々から訪れてみたかった理由も、このセンスの良いグッズたちが作り上げる可愛らしい空間がシアトルの他のカフェにはない雰囲気だったからです。それと同時に、この辺鄙な立地にあまりにも変わった営業時間が不思議でならなかったことも、このお店を訪れてみたかったもうひとつの理由でもあります。

事前にネット上で写真を見たときには店の奥の広い空間のことを知らず、訪れて初めて知ったのですが、僕が訪れた平日のお昼過ぎはお客さんが誰も来ず、広く居心地の良い空間を独占することができました。

その後も想像通りお客さんの入りは少なかったのですが、思った以上にお客さんが来店しては店員さんとの会話を楽しんでいました。おそらく大半のお客さんがこの辺りに住んでいる常連さんなのでしょう、店員さんもお客さんもとてもリラックスしたような顔つきで "いつも通り" のコミュニケーションを楽しんでいるようでした。

僕が行った時は女性の方が一人で働いていました。アイスのカフェラテをオーダーし、僕がいつもロースタリーカフェ以外に行くと100パーセントの確率で初めにする質問で、一つのルーティン化さえされてる「どこの店の豆を使っているの?」をしたところで店員さんの顔つきが少し変わりました。"やばい、豆について聞いてはいけないカフェなのか、そんなことあるのか" と勘繰ったところで、「Cafe Vita の豆を使っているよ」という答えがあり、「どのくらいここに滞在しているの?」と質問されました。僕の英語の発音は日本語訛りがあり、かつつたないので、60パーセントくらいの確率で店員さんからそう聞かれます。「昨年の9月にシアトルに来て、今年の9月に日本に帰るんだよ!」と答えたところで、僕たちの会話が英語から日本語に変わりました。驚いたことに、彼女は日本人だったのです。

そこからは僕の言葉も途端に流暢になり、いろいろな話を彼女からお聞きすることができました。

このカフェは7年前にオープンしたお店で、このお店でバリスタをされていらっしゃるりえさんはかれこれ5年働いており、一番の古株ということ。また、オーナーであるニン・トロンさんはシアトルと東京を拠点にするアパレルブランド「Maiden Noir」のオーナー兼デザイナーでもあり、このカフェは、彼女が元オフィスの跡地に作り出した安らぎの空間ということ。このお店で利益をあげることはあまり考えておらず、自分の目が行き渡る範囲で地元のお客さん達や常連さんと楽しい時間を過ごしたいという思いから、営業時間も伸ばすことなく続けていること。なんでこの場所なのか、なんでこの営業時間なのか、そんな僕の疑問が一気に解消されました。

お店のカウンターに置かれてあるペイストリー類の中でスコーンとマフィンはりえさんの手作りで、お店で一つ一つ丁寧に焼いています。僕は程よい甘酸っぱさが特徴のレーズン入りのスコーンが、カフェラテに抜群に合い特に好きだったのですが、アーモンドやリンゴなどが入っている具沢山のマフィンも想像よりも素朴な優しい味がしてとても美味しかったです。

りえさんは僕が第13回で取り上げた 『Little Oddfellows』 の大元である 『Oddfellows Cafe + Bar』 でも働いていて、そちらの方にいらっしゃることの方が多いそうです。

回転率や利益を気にし過ぎる余り、お客さんに行き届いたサービスや安らぎを与えきれないカフェが少なくはない中で、『Little Oddfellows』 やこのお店など、メインのビジネスがカフェではないところのカフェは特別に居心地が良いような気がします。飲食店を経営したことがないのであくまでイメージですが、これらのバランスがカフェ経営や飲食店経営の最も難しいところでもあるのかなと思いました。

僕が店を出る時には、売れなかったら捨ててしまうからと、大量のスコーンとマフィンを持たせてくださいました。毎日最大限の節約をしながらシアトルライフを過ごしている僕にとっては涙が出るくらい嬉しく、これから先の数日分の朝ごはんにしようと思ったのですが、食べ出したら止まらなくなり、家までの帰り道でスコーンとマフィン計5個を全て食べてしまいました(笑)。

オーナーの夢が作り上げた、可愛らしくもあり居心地の良い空間。ぜひ皆さんにも体感していただければと思います。

Thank you for a good time and coffee!!

次は、1年間コーヒーを飲み続けてきて、やっぱりスターバックスのフラペチーノが一番好きなことがわかった瑠菜さんです。

Cafe Weekend
851 Hiawatha Place South, Seattle(地図
【席数】約20
【公式サイト】www.cafeweekend.com
【Wi-Fi】 あり
【電源】 席によってはあり

沢田 真洋(Sawada Masahiro)
1991年、神奈川県藤沢市生まれ。大学卒業まで三度の飯よりサッカーな生活を送り、卒業後一般企業に就職。3年と少し勤めた後、退社を決意し、2017年9月よりIBPプログラムでベルビュー・カレッジに留学中。シアトルに来てから柄にもなくカフェ専用のインスタグラムアカウントを作り、備忘録代わりにシアトル周辺で訪れたすべてのカフェを記録している。将来は地元・湘南にカフェを開くのが夢。最近のマイブームはハーモニカ。

掲載:2018年7月

このコラムの内容は執筆者の個人的な意見・見解に基づいたものであり、junglecity.com の公式見解を表明しているものではありません。



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