みなさん、こんにちは!小百合です。
アメリカの5~6月は卒業シーズン。4年間山あり谷ありの学生生活を共に闘ってきた友達のワシントン大学の卒業式に行きましたが、とても感慨深かったです。ちなみに会場で売っていたお花の値段は40ドル(約4,300円)。グローサリーストアならこの半額ぐらいなのにと、何ともぼったくられた感がありました(笑)。
さて、ファイナルが終わってほっと一息、と思いきや、7月1日から夏学期が始まります。私が通うベルビューカレッジはクォーター・システム(quarter system:4学期制)で、夏は他の学期より2週間短く、クラスの選択も少ないのが特徴。またこの期間はインターンシップやパートタイムジョブ、短期留学などに励む現地生もいます。私も卒業まで残り2学期ということを励みにがんばりたいと思います。
さて、7月のテーマは「カフェ×テラス」。シアトルもようやく初夏になり、天気の良い日が増えてきたので、外でコーヒーを楽しむのにぴったりなテラス席のあるカフェを紹介していきます。
それでは、『シアトル留学生カフェ探訪』 第68回のスタートです。
今回訪れたのは、クイーン・アンにお店を構える『El Diablo Coffee Co.』。もともとは、第61回で彩乃さんが紹介した『Queen Anne Coffee Co.』がある場所で営業していたのですが、昨年そこから二軒ほど離れたところに移転しました。
外観が一軒家なところが印象的。こちらの建物はもともとメキシコ料理のレストランだったそう。
こちらは午前8時頃の様子。ほとんどが常連のお客さんで、みんな店員さんと友達のように仲良く話している様子に朝から和みました。
中に入ると最初に幾何学模様の壁や私の好きなヴィンテージ調のライトに迎えられ、窓から差し込む朝の日光は店内を暖かく包み込んでいました。
もう一箇所テラスがあるということで、注文を済ませ2階へ。
階段を上って奥に進んだところにあるのがこちらのテラス。スペースが広く、クイーン・アンの静かな落ち着いた朝を楽しめる雰囲気で、屋根も付いているので雨の日でも濡れることがなく安心です。ちなみに、家やレストラン、カフェにあるテラス(terrace)のことをアメリカでは「patio」と呼びます。
今回私が注文したのは、初挑戦のメキシカン・モカ。メキシコ系のコーヒーはあっさりしていて酸味が低く、滑らかな舌触りが特徴だと聞いていたのですが、飲むと本当にその通り。エスプレッソとチョコレート、ミルクのバランスがとても良く、全体的に癖がないデリケートな味でした。
ドリンクを味わっていると、一緒に頼んだトーストを店員さんがテラス席まで持って来てくれました。
ブレックファースト・メニューで同店おすすめの Cuban Toast(キューバン・トースト)は、フレンチ・スタイルに少し似たホワイト・ブレッドに、今回はトマトとハムを追加しました。シンプルな組み合わせですが、しっかりとトーストに挟まれた具材は一体感があり、更に作りたてなのでとてもフレッシュでした。
同店が使っている豆はすべてカナダとの国境に近いワシントン州北部のべリンハム(Bellingham)を拠点とするロースター『Tony’s Coffee』が焙煎しているもの。こちらのメキシコ産やホンジュラス産の豆で入れられたエスプレッソは、焙煎によりダークな味わいで、ラテなどに合うそうです。加えて、モカはバー・チョコレートを細かく砕いたものを使用することによって、より繊細な味が均等に行き渡るようにしているとのことでした。
おすすめのペイストリーはマフィン、ドーナツ、そしてクロワッサン。ほとんどが手作りで、ヴィーガンやグルテンフリーのメニューも多かったのが印象的でした。ほかにも、チーズや野菜、お肉などの具材をトルティーヤで巻いた Quesadilla(ケサディーヤ)や、具入りパンの Empanadas(エンパナーダ)など、同店らしいブレックファースト/ランチメニューもありました。
ローカルソーシングや手作りへのこだわりの裏に、どのような思いがあるのか気になり尋ねたところ、「一番大切にしているのは、人が繋がれるコミュニティです」と教えてくださったのが、笑顔が素敵なマネジャーのクリスティーナさん。キッチンでお仕事をされていたのをやめて、わざわざ時間をとって下さいました。
同店はあらゆる人が互いに交われる場所となれるよう努めていて、LGBTQ+ のコミュニティのサポートにも力を入れているとのこと。つい最近開催したドラッグ・クイーンによる読み聞かせのイベントは、参加した子供たちから大変人気だったそうです。
オーナーのジルさんが何よりも人との関係を大事にする方だそうで、クリスティーナさんはジルさんからの信頼を得て、同店で働き始めて何と1年でマネージャーになったそう。「ここで働くみんなに何かしらの情熱と才能があるので、例えばソーシャル・メディアの写真や店内のアートを従業員が手がけているの」と語るクリスティーナさん。例えばバリスタもバリスタとして働く以外に、一人一人が幅広く活躍できる場所であろうとする同店の思いと工夫に感銘を受けました。
誰もが温かく迎えられるとてもアットホームな『El Diablo Coffee Co.』。皆さんもキューバン・スタイルのコーヒーを片手に、クイーン・アンのゆったりとした雰囲気に溶け込んでみてはいかがでしょうか。
次は、バラード・ロックスでシャケを追いかけるアザラシを見られて感動したという彩乃さんです!
Thank you for a great time and coffee!
El Diablo Coffee Co.
【住所】1825 Queen Anne Avenue North, Seattle(地図)
【席数】店内約20席 / テラス約20席
【公式サイト】http://www.eldiablocoffee.com
【Wi-Fi】あり
【電源】席によってはあり
辻小百合(Sayuri Tsuji)
ベルビュー・カレッジに正規生として2016年春から留学中。現在は同大学でデジタルマーケティングの学士号を取得するため、授業で山ほど出る課題とプレゼンに日々追われる毎日。2019年にやりたいことは、カフェ、古着屋巡りとハリーポッターの本を全巻読むこと。
掲載:2019年7月