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シアトル留学生カフェ探訪 第62回 『PRŪF – Cafe & Bar』

みなさん、こんにちは!香織です。

彩乃さんからの紹介の通り、今、就職活動の真っ最中で、クラスや課外活動との両立に毎日忙しく過ごしています。慌ただしいですが、中間試験も終わった先日、友人達とグリーン・レイクでピクニックをしました。新緑あふれる中でのランチやおしゃべり、エクササイズでリフレッシュ。日も長く、暖かくなってきて、シアトルでの初めての夏がとても待ち遠しいです!

それでは、『シアトル留学生カフェ探訪』第62回のスタートです。

PRŪF - Cafe & Bar

5月のテーマ「インスタ映えのするカフェ」として私がご紹介するのは、インターナショナル・ディストリクトにほど近いアトランティック地域にある『PRŪF – Cafe & Bar』。写真はインスタグラムで加工してみましたが、いかがでしょうか。

インターナショナル・ディストリクトから South Jackson Street の坂を登った、レンガ造りの建物にあります。隠れ家のような店の造り、おしゃれなインテリアと可愛いペイストリーに一目惚れし、今回取材することにしました。

1階はコンパクトでとてもアットホームな空間。昼下がりの時間だったので、大きな窓から気持ちのよい陽差しが入り、白を基調としたインテリアとの相乗効果で、とても明るい感じでした。

こちらは階段を上がった2階のスペース。広々としていて、その雰囲気は子供のころ大好きだった屋根裏部屋のよう。

天窓から陽が差し込むので明るく、インテリアもビンテージ調とおしゃれで、とても居心地が良いです。デザインや家具は、すべて共同オーナーのスザンヌさんが手がけたそうです。

さて、今回私が注文したのは、ジャパニーズ・アイスコーヒー(Japanese Iced Coffee)と、同店オリジナルメニューだというラズベリーとチョコのビスコーン(Biscone)。

"Japanese" の文字が入ったメニューには、日本人のみなさんなら心が踊るのではないでしょうか(笑)。

同店の「ジャパニーズ・アイスコーヒー」は、2杯のコーヒーを作るのに十分な量のコーヒー豆を挽き、ほぼ倍の濃さにしたコーヒーを氷を入れた容器にドリップして急速に冷やしたもの。この方法なら、より滑らかで味わいがよくなるとのことでした。確かに、濃いですが、苦くなく、とてもすっきりしています。

一方、ビスコーンはビスケットとスコーンの両方の特徴をいかしたもので、ビスケットの硬さとスコーンの柔らかさの中間で、ほどよくサクサク、少しほろっとしています。甘さはスコーンより控えめ。たっぷり乗った新鮮なラズベリーと相性がよく、とても美味しくいただきました。カフェタイムのおやつにぴったりです。

PRŪFでは、『Olympia Coffee』から豆を仕入れています。「Olympia Coffee はクオリティの高い豆への情熱があふれるロースターで、卸しているカフェとも密にコミュニケーションを取り、双方でしっかり情報共有を行い、品質向上に努めている」とのこと。

ロースターとカフェが良い関係を保ち、とても信頼しあっていることが感じられました。それがお客様を満足させるコーヒーを提供することにつながっているのですね。

手前のケーキは、スパニッシュ・アーモンドケーキ(Spanish Almond Cake)といって、小麦粉を使わない、スペインはサンティアゴの伝統的なタルトだそう。共同オーナーのブルーノさんがスペインを旅行している時にその美味しさに惚れ、メニューとして採用したそうです。実は初めて来店した時にこちらのケーキをいただきましたが、小麦粉不使用でもしっかりとした生地で、甘さ控えめと、アメリカではなかなかないヘルシーなケーキだと記憶に残りました。

また、お店の名前にもある通り、同店ではお酒、デリも提供しています。「Health First」「Food Safety」を信念とし、質が高く、ヘルシーなものという、お客様のことを存分に考えたランチのメニューを地元のベーカリーと開発中とのこと。今もサラダのドレッシングにも昆布茶を使用するなど、素材へのこだわりが感じられます。

オーナーのスザンヌさんとブルーノさん

今回、お話を伺ったのは、共同オーナーのスザンヌさん。

スザンヌさんは韓国とポルトガルのハーフで、韓国で生まれ育ったのち、お父様の仕事の関係で14年間ドイツに住んでいたそう。共同オーナーで夫のブルーノさんは、シアトルから家族とヨーロッパに引越し、15歳の時に通っていたドイツのアメリカン・スクールでスザンヌさんと出会ったとのことでした。ヨーロッパのカフェ文化で育ったお二人にとって、カフェは日常の一部だと話してくれました。

2階にある DJ ブース

「温かさ(warm)」と「快適さ(comfortable)」を大切にし、地元のアートと音楽をサポートすることも、二人のモットーだそう。

South Jackson Street の歴史は、もともとジャズやアートが盛んで、現在もこの地域にはミュージシャンやアーティストがたくさん住んでいるのだとか。

「この地域を選んだのは、そんな地元アーティストのためにクリエイティブな場所を提供したかったから」。

前述のとおり、地元アーティストの作品を紹介することに加え、ミュージシャンが演奏する場も提供しているそう。カフェで流れている音楽も地元ミュージシャンのもので、毎月第3土曜日は「Jazz Night」のイベントを開催しているとのこと。営利団体とコラボしたイベントなどもあるので、公式サイトをチェックしてみてください。

オーナー夫妻の思いの詰まったカフェでのイベントに、ぜひ参加してみたいです。

今回、1時間半に及んだインタビューで、スザンヌさんからコーヒーの歴史や環境への取り組みなど、お店の経営以外のこともたくさん教えていただくことができました。ご夫妻のカフェ経営とコーヒーへの情熱、こだわりなど、インタビューでもしない限りわからなかったことばかり。このブログがきっかけとなり、こうしてお話を伺うことができることに改めて感謝します。

何よりも嬉しかったのは、スザンヌさんが、1ヶ月以上前に訪れた私のことを覚えてくださっていたこと。スザンヌさんの素敵な人柄と、顧客ファーストのプロフェッショナリズムを感じました。また、この日はブルーノさんのお母様も来店していて、このブログのことを伝えたところ、「記事が出たら、日本人のお友達に訳してもらうわ」と嬉しそうにおっしゃってくださいました。アメリカでこうしたご縁ができて、本当に嬉しいです。

お店を出てすぐの交差点のところで、マウント・レーニアが綺麗に見えました。富士山を懐かしく思うと同時に晴れ晴れとした気持ちになりました。

アイスコーヒーが飲みたくなるこれからの季節、みなさんもぜひ、『PRŪF – Cafe & Bar』で日本式のアイスコーヒーと、こだわりのヘルシーメニュー、地元のアートと音楽を楽しんでみてはいかがでしょうか。

Thank you for a good time and coffee!

次回は、日本から友達が遊びに来るのを楽しみに中間試験の勉強をがんばっている真美さんです。

PRŪF – Cafe & Bar
1440 South Jackson Street, Seattle(地図
【席数】約25席
【公式サイト】prufcafebar.com
【WI-FI】なし
【電源】席によってはあり

小林 香織(Kaori Kobayashi)
東京都生まれ。日本で約10年の社会人生活を経て、2018年9月よりIBPプログラムにてシアトルへ留学。日本にいた頃は、ほぼ毎週末カフェで持ち帰り仕事をこなす。ブラックコーヒーしか飲まなかったが、シアトルに来てからラテやマキアート等の美味しさ、インディペンデントカフェの魅力に目覚める。趣味は、新しい場所へ行くこととバスケ観戦。これまでNBA、NCAA観戦に全米9ヶ所を訪れた。各地でカフェに行くことも楽しみのひとつ。

掲載:2019年5月

このコラムの内容は執筆者の個人的な意見・見解に基づいたものであり、junglecity.com の公式見解を表明しているものではありません。



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