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シアトル留学生カフェ探訪 第41回 『Slate Coffee Roasters』

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みなさん、こんにちは、文です。

シアトルに来てから約7ヶ月もの月日が経過し、渡米半年の自分の英語力はいかほどかと、匡洋さんのご紹介にありました通り TOEIC を受験してみました。忙しさにかまけて試験対策をまったくすることなく迎えてしまった当日。おまけに開始時刻ギリギリに起床したため、朝食抜きで盛大にお腹を鳴らしながら本番に臨んだのですが、日本にいた頃と比べて200点近くスコアが上がっておりました。目に見えない進歩が数値化されたようで嬉しさがこみ上げると同時に、今度はしっかり朝食を取ってから臨もうと思います。

それでは、『シアトル留学生カフェ探訪』 第41回のスタートです。

空腹でも力を出し切った私がご紹介するのは 『Slate Coffee Roasters』。現在シアトル市内に3店舗あるこちらのカフェ。今回はバラードにある号店に行ってきました。

実は、ユニバーシティ・ディストリクトのお店へよく行くのですが、先日訪れた際にバリスタのビーノさんに話しかけたところ、「今度の週末、1号店に来てもらえたらマネージャーも私もいるから、ゆっくりお話できると思う。新しく仕入れた豆もあるから」とのこと。

その言葉を聞き何気なく公式サイトにアクセスしたところ、エチオピア産の新しい豆を入荷したというお知らせがトップページ全面に掲載されておりまして。

Slate Coffee Roasters

同店の公式サイトのトップページ ※2018年11月21日時点
We received a permission from Slate Coffee Roasters to post the screenshot of their website’s top page.
Copyright ©Slate Coffee Roasters

第31回 『Herkimer Coffee』 でも触れましたが、大学時代にアフリカ地域研究をしていた私。「なんて素敵な写真・・・これはぜひとも飲みたい!いや、飲まねば!」というわけで、週末、車を走らせてバラードへ。

Slate Coffee Roasters

一軒家が立ち並ぶ住宅街の中、グレーのコンクリートで覆われた一見無機質な、工房のような出で立ちのお店がありました。駐車禁止ではない場所かどうか念入りに周辺を確認した後、車を停めていざお店へ。

Slate Coffee Roasters

外観のクールな印象とは一転して、店内では白い壁とテーブルに温かみのある照明の下、会話が飛び交っています。外にはテーブルがありましたが、店内は15席ほどのカウンター席とベンチが一つ。個人的に、私がこれまで訪れたどのカフェよりも店員さんとお客さんの距離が近く、活気がある印象を受けました。

早速キャッシャーへ向かうと、先日お会いしたビーノさんが「よく来てくれたね!」とラテを淹れながら出迎えてくれました。

Slate Coffee Roasters

サンフランシスコ出身のスーパーコーヒー LOVER こと、バリスタのビーノさん。

事前に仕入れた情報のもと「新しく入荷したエチオピア産の Chelchele が飲みたいです!でもお腹が弱いので、あまり酸味と刺激が強すぎず飲みやすいものが良いです!」とわがまま全開なリクエストをお伝えした結果、アメリカーノをいただくことに。

Slate Coffee Roasters

フルーティで香りが豊かなものが多いとされるエチオピア産のコーヒー。この Chelchele はナチュラル製法(自然乾燥式)で処理されたもので、コクがありながら飲みやすいうえにとても良い香り。温かなコーヒーが寒さで冷えた体に染み入ります。公式サイトのトップページの写真を思い出しつつアフリカへ思いを馳せることも忘れません。

アメリカのアメリカーノはエスプレッソをお湯で割って作られているため、日本のアメリカンコーヒーを飲んだ際にたまにある薄味感もまったくなく、しっかりとしたコーヒーの風味を感じることができます。

立て掛けてある本をぱらぱらとめくりながらコーヒーを堪能しつつ、店内のコーヒー豆が売ってある所へ行ってみると Chelchele の他にもエチオピア産のコーヒー豆が2種類ほど置いてありました。

この日、ビーノさんとお二人でお店に立っていたマネージャーのサムさんに「これらの豆の違いは何ですか?」とお伺いしたところ、3種類の豆を実際に見せてくださいました。

Slate Coffee Roasters

右から、私がオーダーした Chelchele、Gotiti、そして一番左が Adisu Kidane。すべてエチオピア南部のゲデオという地域で採れたコーヒー豆です。

中央の Gotiti がこの3種類の中で一番深煎り、両端のものと比べて豆の色が若干暗いのが見てわかりました。(コーヒー好きのみなさんになら、この写真から色合いが伝わると信じています。心の目でよくご覧ださい。笑)

Chelchele と Gotiti は生産地の名前を、そして Adisu Kidane はこの豆を栽培している生産者の名前をそのままネーミングに採用したそうです。

サムさんいわく、Chelchele と Adisu Kidane、この2つの味わいは比較的人気があり親しみやすいのでオススメとのこと。豆の風味を損なわないよう、深く焙煎しすぎずサラっとした飲みやすいテイストがうちのコーヒーの特徴だともおっしゃっていました。

さらに、エチオピア産は10月~12月の今がベストシーズンとのこと。コーヒー豆の旬を吟味して取り入れていることにこだわりが伺えます。

Slate Coffee Roasters とあるように、こちらのカフェは自家焙煎なのですが、一つ気になることがありました。3つあるすべてのお店の外や中、どこを探しても焙煎機が見当たらないんです。焙煎機のありかについて尋ねると、なんと「場所は秘密なので教えられない」。

若干がっかりしていると、見かねたサムさんが「Chelchele の香りを嗅がせてあげる!」と挽いたばかりのコーヒーを持ってきてくださいました。アロマオイルのような良い香りに思わずうっとり。

Slate Coffee Roasters

とても丁寧にコーヒーについて教えてくださったマネジャーのサムさん。笑顔が素敵です。

Slate Coffee Roasters

それからもう一つ、お店の中で気になることが。エスプレッソマシンの上に、小ぶりのワイングラスが並べてあるのです。

「こちらは何に使うのですか?」と聞いてみたところ、Deconstructed Espresso +Milk というオリジナルドリンク用とのこと。メニューを見てみると何やら3つのグラスが描かれた可愛らしいイラストが。

Slate Coffee Roasters

同じく Chelchele の豆を使用して作るそう。こちらもオーダーすると「写真が撮りやすいように席で淹れてあげる」とのお言葉!

サムさん、一体あなたはどこまでお優しいのですか・・・と涙をこらえつつ、シャッターチャンスを逃すまいと食い入るように見つめます。

Slate Coffee Roasters

あっという間にラテアートを描き、グラスにドリンクを注いでいくサムさん。出来上がったのがこちら。

Slate Coffee Roasters

「かわいい・・・!!!」思わず笑みと日本語がこぼれました。こちらのドリンク、Deconstructed(脱構築された)という名前が示すように左からエスプレッソ、中央がフォームミルク、そしてそれらを合わせた右のラテ、この3つが出来上がるまでのステップを左から表したものなのです!

一番左のエスプレッソはシャープな味わい、それが中央のミルクと合わさってラテになると、エスプレッソの風味を残しつつもまったく違った飲み物に。ワインをテイスティングする時のようにそれぞれの味を感じてほしいという狙い通り、一種類の豆からこんなにもテイストの異なるコーヒーが出来上がるのかと、先ほどのアメリカーノもさることながらコーヒーの奥深さに改めて感銘を受けました。

Slate Coffee Roasters

心も体も温まるおもてなしをしてくださったビーノさんとサムさん。シアトルへ来て以来、たくさんの尊敬すべき方との出会いがありますが、その中でもビーノさんとサムさんの表情や言葉にはこの仕事を楽しみ、満足する気持ちが溢れていて、果たして自分はこれほど相手を優しく穏やかな気持ちにする仕事が出来ていただろうかと考えさせられるとともに、たくさんのことを学ぶことができました。

自身の社会人時代を振り返りつつ、一日を気持ちよく過ごせたことに感謝すると同時に、また何度でも訪れようと思わせられるカフェでした。

Thank you for a specialty Americano and Deconstructed Espresso + Milk!

次は、就活キャリアフォーラムに参加するために行ったボストンでシーフードを食べたところ、シアトルのものに引けを取らず大感動したという伸介さんです。

Slate Coffee Roasters
5413 6th Avenue NW, Seattle(地図
【席数】約20
【公式サイト】slatecoffee.com
【Wi-Fi】 あり
【電源】 席によってはあり

伊藤 文

伊藤 文(Aya Ito)
1989年、神奈川県横須賀市生まれ。大学を卒業し、一般企業に約6年勤めた後、自身のキャリアを再度見つめ直すためアメリカ留学・インターンシップへの挑戦を決意。2018年4月からシアトルにて IBP プログラムに参加中。幼い頃から食べることが大好きで、食へのこだわりは人一倍。インスタグラムの8割を食事の写真が占める。また個人ブログでは会社員を辞めて渡米するまでのいきさつ、その後の生活を描いた記事が一部のコアな読者に共感を呼んでいる。

掲載:2018年11月

このコラムの内容は執筆者の個人的な意見・見解に基づいたものであり、junglecity.com の公式見解を表明しているものではありません。



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