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さまざまなフレーバーが並ぶショーケース
シアトル市内に3店舗を展開する『フル・ティルト・アイスクリーム』。2008年夏の開店以来、そのオリジナリティあふれるエスニックなフレーバーにはファンが多く、2010年7月の時点で同店の Facebook は1,700人以上がフォローしている。
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人気の “ウベ” のアイスクリーム
ジャスティン・クラインさんと妻のアン・マグヤーさんがアイスクリーム・ショップを開店しようと思ったきっかけは、住まいのあるホワイト・センターの住民のアンケート調査で「アイスクリーム・ショップが欲しい」という回答が多く見られたこと。アイスクリームが大好きな夫妻は「みんなの欲しがっているものを作って、コミュニティに貢献しよう」と奮起し、ジャスティンさんがザ・キュリナリー・インスティチュート・オブ・アメリカで学んだことや、シアトルの 『サルミ』 を含む西海岸各地のレストランで働いた経験をいかした、オリジナルのフレーバーを生み出した。
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ホワイト・センター店の店内
同店のメニューには、バニラやロッキー・ロードといった定番もあるが、ブラックベリー・シナモンやマンゴー・チリ、シナモン入りメキシカン・チョコレートやタイ・ティーなど、他で食べる機会はそうないと思われるエスニックなフレーバーが並ぶ。旬の食材を使ったこれらのフレーバーの中で最も人気が高いのは、フィリピンの紫山芋ウベ(Ube)。薄い紫色はブドウかブルーベリーを思わせるが、香りはほとんどなく、とてもまろやかながら粘りのある、不思議な食感が楽しめる。塩キャラメル味とピーナツバター・ベーコン味のアイスクリームを濃厚なダーク・チョコレートでコーティングしたアイスクリーム・バーも好評だ。ビーガンなら牛乳の代わりにココナッツ・ミルクを使ったフレーバーやレモン・ソルベを試してみよう。子供サイズは1スクープあたり2ドル、レギュラー・サイズはシングル・スクープが3ドル、追加が1スクープあたり1.50ドル。また、マイクロブルワリーのビールにアイスクリームを入れる、ビール・フロートも要チェックだ。今回は同店から数ブロックのところにある 『ビッグ・アル・ブリューイング』 の IPA に、ウベをあわせてみた。苦味と甘味が口の中で溶け合うのは不思議な感じだが、夏にぴったりのデザートと言えるかもしれない。
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店の奥にはゲームが置いてある
同店のアイスクリームはすべてホワイト・センターにある1号店で作られているが、これ以上店舗を増やすつもりはないというジャスティンさん。「それよりも、うちのアイスクリームをレストランや食料品店に卸したり、全米各地に販売したりしたいね。今、いろいろ考えてるんだ」と語ってくれた。
Full Tilt Ice Cream フル・ティルト・アイスクリーム |
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ホワイト・センター店 | |
住所 | 9629 16th Avenue SW, Seattle (地図) |
電話 | (206) 767-4811 |
その他のエリア | コロンビア・シティ、ユニバーシティ・ディストリクト、バラード |
公式サイト | fulltilticecream.com |
掲載:2010年8月