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シアトルで活躍!日本人シェフ:『しゃぶしゃぶ 京都』オーナーシェフ 上田大輔さん「健康に暮らし、安全な食材を食べたいという思いを共有できれば」

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上田大輔さん

『しゃぶしゃぶ 京都』 にて

上田大輔(うえだ・だいすけ)略歴:
京都生まれ。高校卒業後、調理師学校で調理師免許を取得。日本で数年にわたり働き、2000年にミシガン州の日本食レストランへ。その後、ニューヨーク、ラスベガス、カリフォルニア州の飲食店にて、立ち上げから調理まで幅広い経験を積む。2014年、共同経営者としてシアトル郊外のタクウィラ市に「嵐ラーメン」1号店を開店。現在はシアトル市のバラードとエドモンズ市の3ヶ所で「嵐ラーメン」を展開すると同時に、食材にこだわった「しゃぶしゃぶ 京都」を2018年4月にベルビュー市で開店。

「行きたいところに行ってみて、そこに住む」という考え方

上田大輔さん

メインの料理のひとつ、しゃぶしゃぶ。「自家製ゴマだれと、ポン酢でお召し上がりいただきます」。

旅行が好きになったことで海外に目を向けるようになったという上田さん。2000年に就労ビザをスポンサーしてもらい、アメリカへ。

もともと料理の道に進もうと思っていたわけではないですね。でも、高校卒業後、調理師専門学校に入学して調理師免許を取得して、知人の家族が経営している寿司屋などで手伝いをしていました。

海外旅行が好きになり、「行きたいところに行ってみて、そこに住む」と、海外で働くオプションを探し始めたのが20代前半の頃。最初はワーキングホリデーでカナダに行くことを考えて準備を進めていたのですが、アメリカの就労ビザもスポンサーしてくれるという話が舞い込んで来たのです。

どちらか選ぶなら、やはり就労ビザでしょう。すぐにビザが下りることになり、そのままミシガン州のレストランで働き始めました。「そんなことできるの?」とよく聞かれるのですが、2001年のニューヨーク同時テロ「9/11」の前だったので、そういったことが可能だったのだと思います。

アメリカ各地のレストランで経験を積み、カジノのディーラーも体験

フットワークが軽く、アメリカの東と西を転々。さまざまな経営者の下で調理から経営まで多くを学ぶ。

そこからミシガン州とニューヨーク州で働いて、たまたま声をかけてくれたラスベガスの寿司レストランに転職。「せっかく博打の街に来たんだし」と、プロのディーラーになるための学校にも行って資格を取り、たまたまレストランに来てくれた巨大ホテルの責任者の方からの紹介でカジノで仕事も始め、昼はディーラー、夜は寿司職人の生活をするようになりました。カジノで働く人たちは時間厳守で、勤務時間の始まる5分前からタイムカードのところに並びます。アメリカ人は時間にルーズと言われますが、それは上層部が時間についてどういう教育をするかで大きく違う。本当に多くのことを学びました。

その後、カリフォルニア州のトーランスで焼き鳥の店でも働きましたが、日本から「ラーメン屋を開店したい」と声がかかり、またラスベガスへ。人気店となった『Fukumimi Ramen』の立ち上げに関わり、調理はもちろん、経営者はどうあるべきか、いろいろ学びました。そして4年ほどたった頃、ヒューストンとシアトルの両方から「君の作るラーメンが好きなので、ぜひ一緒にビジネスをしたい」という声がかかったのです。独立したいとは思っていましたが、どちらに行くべきか?どちらもとても熱心にアプローチしてくれましたが、先に店舗スペースを確保できたシアトルに来ることになりました。

自分にとって大切なものとは

嵐ラーメンの共同経営者として順調に業績を伸ばし、次のステージへ。

上田大輔さん

共同経営者を務める『嵐ラーメン』 の味噌ラーメン

嵐ラーメンの共同経営者として、1軒目を2014年にオープンし、今はシアトル市のバラードとエドモンズ市もあわせて3店舗を展開しています。自分たちがこれと思うものを作らないとブレてしまうので、味はすべて僕と料理長で決めます。味覚は人それぞれ。長くやることを考えると、そのほうがいいと考えています。

結婚して子供もいますので、シアトルに住むことができて本当によかったですよ。僕にとって重要なことは、自然が多いこと、野球とアメフトのチームがあること、釣りやキャンプが手軽にできること、日本への直行便があること、日本食のスーパーマーケットがあること、子供の日本語教育のチョイスがあることだったので、シアトルは最高なんです。冬はちょっと寒いですが、スノーボードもできるので、楽しみが尽きません。

でも、2015年に父が67歳で亡くなったことで、僕個人の食生活についての考え方は180度変わりました。日本代表にもなったサッカー選手で、後進の育成に熱心だった父は健康で長生きすると思っていたのに、すごくショックです。食べ物が原因かどうかはまったくわかりません。でも、僕はこれからのためにできるだけ健康でいたいと考えて、それまでの “食べたいものを食べる” 生活から、家では化学調味料を使わず、砂糖を制限し、できるだけローカルのオーガニック食材を使うようになりました。

いろいろと勉強しながらですが、それによって薬などをできるだけ体に入れずに過ごせるのであればと。そんなわけで、今年4月、食材にこだわった『しゃぶしゃぶ京都』をベルビュー市に開店しました。オープンして約2週間ですが、周辺のビジネスからの口コミなどのおかげで、お客さんが日に日に増えていっているのを感じます。

上田大輔さん

もうひとつのメインの料理、すき焼き。

メインの料理はしゃぶしゃぶとすき焼き。両方とも日本のスタイルが基本で、肉は US select Rib-eye、US choice Rib-eye、そして Japanese Wagyu beef Rib-eye から選べるようになっています。一つ一つ手作りでやっていますが、しゃぶしゃぶはタレが勝負。時間とコストをかけています。しゃぶしゃぶの魅力は肉の調理加減を自分で調節して好きな状態で食べられて、余計な油を落としヘルシーな感じで食べてもらえること。中には「しゃぶしゃぶは初めて」という方もいらっしゃるので、最初はやってみせ、ご理解いただくのが大事ですね。また、ベジタリアン用のしゃぶしゃぶとすき焼きもあります。これには特製のベジタリアンポン酢をお出しします。ゴマだれはベジタリアンなので、両方試していただけますよ。

現在はディナー営業のみですが、5月からランチ営業を始め、6月から週7日営業の予定です。できるだけローカルでオーガニックの食材を使い、食材の持つ味と栄養をできるだけしっかり体に取り入れたい。健康に暮らしたい、安全な食材を食べたいと考えている人たちと、思いを共有できればと思っています。

上田大輔さん

宮崎県産の和牛。

また、これからは日本のレストランで、二番手、三番手として働いている高い技術を持つ人たちにアメリカで働くチャンスを提供したい。プロとしての調理経験が5年以上ある方なら、この「しゃぶしゃぶ京都」ではアメリカの就労ビザもスポンサーできます。日本の高い技術を持つ人たちが広い世界でチャレンジする一歩を踏み出すお手伝いができれば最高ですね。

Shabu Shabu Kyoto
www.facebook.com
Arashi Ramen
www.arashiramen.com

掲載:2018年5月 写真:しゃぶしゃぶ 京都



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