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シアトルでアウトドア: 秋の味覚を求めて森へ!シアトル周辺きのこ狩りスポット5選

マウント・レーニア付近で採れた松茸など

天然きのこの豊富なシアトル。特に秋はさまざまなきのこが地上に顔を出すので、いろいろな方法できのこ狩りが楽しめます。

空気の澄んだ森をゆっくり歩き、木々や地面を丁寧に観察し、落ち葉の下から宝を発見する喜び、さまざまな色形のきのこを愛でたり撮影したり、食用きのこを鑑別して味わったり。シアトル周辺で比較的簡単に見つけられる秋の美味しい食用きのこと、きのこ狩りが楽しめるおすすめスポット5選をご紹介します。

きのこは成長過程で様相が異なるので、間違ってもこの写真だけで判断して口にすることのないように。天然きのこの鑑別には、専門家でも数種類の図鑑を参考にし、時に顕微鏡で胞子の色や形を観察して判断します。

マツタケ(Matsutake mushroom)

日本人がこよなく愛する松茸。9月中旬から11月初旬に、カスケード山脈の一部の針葉樹林に繁殖します。

ノースウエスト産の松茸は白っぽいため、枯葉の下にあっても比較的見つけやすいです。見分ける方は、日本人なら誰もが知っているあの独特の香り。

土瓶蒸し、松茸ご飯、焼き松茸など、香りを楽しめる料理法でいただきたいですね。

ファーマーズ・マーケットやスーパーマーケットにも並ぶほど身近な存在です。

シャントレル(Chanterelle)

シャントレルは、9月下旬から11月初旬に、カスケード山脈やオリンピック半島に広く繁殖します。

秋になるとファーマーズ・マーケットやスーパーマーケットにも並ぶほど身近な存在で、さまざまな料理に使えることから、地元きのこ狩人たちの定番ターゲットです。スープ、ソテー、パスタやリゾットなどのほか、和風醤油味にも合います。

森の中で黄金色に輝いているので目につきやすいですが、見分け方は、傘の裏側のしわ状のひだが、柄まで伸びていること。和名はアンズタケで、微かにアンズの香りがします。

ホワイトシャントレル

ホワイト・シャントレルと呼ばれる、白いものも美味。

しわ状のひだの境界線がくっきりしているものは偽シャントレルで、食べ過ぎるとお腹を壊すので注意。

ヘッジホッグ(Hedgehog)

フランス料理の定番きのこで、9月下旬から初冬にかけて、カスケード山脈やオリンピック半島の山中に繁殖します。

前述のシャントレルの仲間で、コクのある味も、傘の表面の様相も似ています。傘の裏側が、ヘッジホッグ(ハリネズミ)の名前が示す通り細かい針のむしろ状になっているのが特徴。

スープ、炒め物、蒸し焼き、サラダなどに使われます。

キング・ボリート(King Bolete)/ポルチーニ(Porcini)

キング・ボリートは、8月末から10月に、カスケード山脈の東側やオリンピック山脈の海沿いから山間部にかけて、針葉樹の森林に繁殖します。

見分け方は、傘の裏側が網目状になっていること。このような網目状の「ボリート」種は食べられるものが多く、数種類を見分けられればいいですが、まずは極上の「キング」からチェックしましょう。

レストランやスーパーマーケットなどではイタリア名「ポルチーニ」(Porcini)と呼ばれ、生でも美味しいですが、乾燥させた方が旨味が増します。乾燥ポルチーニ茸は高級食材として売られています。

イタリアでは「きのこの王様」と言われます。

きのこ狩りスポット5選

シアトル近郊の森できのこ狩り
©︎Izumi

Grand Ridge Park グランドリッジ・パーク(イサクア・アルプス)

イサクアの街とレイク・サマミッシュを見下ろす場所にあり、とにかく近いのが魅力。ウエスタン・レッドシーダーの森に、多種類のきのこが繁殖しています。花粉症対策として注目を浴びているネトル茶の原料セイヨウイラクサ(Nettles)や、ベリーも豊富。公園内にはのべ16キロほどのトレイルがあります。

Washington Trails Association:www.wta.org/go-hiking/hikes/grand-ridge-parkPDF

Lake Kachess レイク・カチェス(スノコルミー地域)

I-90沿いにあり、アクセス良し。レイク・カチェス・キャンプ場は秋になると閉鎖されますが、きのこ狩りの合間に美しい湖を眺めながらピクニックするのもおすすめ。キャンプ場内やレイク西側斜面に多種類のきのこが繁殖し、松茸スポットとしても知られています。

Washington Trails Association:www.wta.org/go-hiking/hikes/kachess-lake-shore

Old Sauk River Trail オールド・ソークリバー(ノースカスケード地域)

マウンテンループ・ハイウェイ沿いにある、⒐5キロほどの平坦なハイキングコース。時期がよければトレイル全体にわたってきのこが繁殖し、密集度が高いです。スカジット・リバーに流れ入る支流に沿ったトレイルで、逆側にはハイウェイが通っているため、迷う心配がありません。子どもでも苦のない散歩コース的なスポット。

Washington Trails Association:www.wta.org/go-hiking/hikes/old-sauk

Thornton Lakes and Trapper Peak ソーントン・レイクス&トラッパー・ピーク(ノースカスケード地域)

シアトルから距離はありますが、車でかなりの標高まで行けるため、ノースカスケード地域の中でも人気の高いハイキングコース(全行程は16km強、獲得標高900m)。菌類が一年中繁殖できる環境で、特に秋は大小とりどりのきのこがにょきにょきと生え、きのこ天国と化します。天然きのこの収穫量には制限があるので、個人で消費する以上に採集しないこと。

Washington Trails Association:www.wta.org/go-hiking/hikes/thornton-lakes-and-trappers-peak

Upper Dungeness River アッパー・ダンジネス・リバー(オリンピック半島)

アッパー・ダンジネス・リバーは、オリンピック半島の中でも比較的シアトルからの距離が短く、人気ハイキングエリアのマーモット・パスへの登山口となっています。入口周辺からキャンプ場(Camp Handy)まで、温帯雨林と原生林の美しい樹木に覆われ、雨天のハイキングコースとしても理想的。トレイル沿いに多種のきのこが繁殖しています。

Washington Trails Association:www.wta.org/go-hiking/hikes/dungeness-river

きのこ狩りの世界に足を踏み入れたい人へ

©︎Izumi

きのこ狩りには、危険もつきもの。誤って毒きのこを口にしたり、夢中になって森で迷ったり崖から足を滑らせたりと、例年、きのこにまつわる事故のニュースは後を絶ちません。

そこでオススメしたいのが、ピュージェット・サウンド菌学会に参加することです。シーズン中は毎週末のようにフィールドトリップが行われ、指定された場所に行くと、きのこ上級者がいて一緒に森を歩いてくれたり、見つけたきのこを鑑別してくれます。また、同会主催の無料鑑定会では、自分で採取したきのこを持ち込んで鑑定してもらうこともできます。

ピュージェットサウンド菌学会 (Puget Sound Mycological Society)
www.psms.org
全米最大規模の菌学会。会員になると地元きのこ情報が得られ、フィールドトリップに参加できます。ワイルド・マッシュルーム展や、きのこ講座も開催されます。年会費は家族(大人2人まで)30ドル、フルタイムの学生20ドル(要学生ID)

文・写真:渡辺菜穂子

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