シアトルのレストランでは最大規模のルーフトップ・ガーデン
Bastille Cafe & Bar
【住所】 5307 Ballard Avenue NW, Seattle, WA (地図)
【電話】 (206) 453-5014
【公式サイト】 bastilleseattle.com
バラードにある 『バスティーユ・カフェ・アンド・バー』 は、2009年にシアトルで初めて完全オーガニックのルーフトップ・ガーデンを始めたレストラン。シアトル・アーバン・ファーム・カンパニーの管理のもと、4,500平方フィート(約420平方メートル)のスペースを利用してレタス、アルグラ、ラディッシュ、トマト、ハーブ類など約25種類の食材を栽培している。
「管理はシアトル・アーバン・ファーム・カンパニーに全て任せていますが、収穫は私たちがするので、食材との向き合い方が変わりました」と語るのは、エグゼクティブ・シェフのジェイソン・ストーンバーナーさん。「その日に採れる食材を中心にスペシャル・メニューを考えたり、メニューを変更したりしています。調理をする時も、野菜本来の味や風味を今まで以上に生かすようになりました。」
ルーフトップ・ガーデンで採れた野菜が占める割合は約2割。育てる野菜はシアトル・アーバン・ファーム・カンパニーと相談しながら決めており、一年中ほぼ毎日収穫できる状態を保っているという。「レタスなどの葉物野菜は育ちが早く、約3週間で収穫できます。冬は夏よりも多少時間はかかりますが、野菜が育てられないということはありません。私たち自身も毎年さまざまな気付きを得て、非常に勉強になっています。」
ルーフトップ・ガーデンはそれ以外にも意外な効果ももたらしているという。「調理場は時間との戦いでストレスがたまりますが、そんな時に屋上へ上がると良い気分転換になるんですよ」とジェイソンさん。「これまで以上に無駄なく食材を使うようにもなり、ごみの量も減りました。ルーフトップ・ガーデンの存在はシェフの意識を確実に変えていると思います。」
11トンもの土の重さに耐えられるよう建物の補強工事を行うなど、ルーフトップ・ガーデンの導入には費用もかかっているが、ジェイソンさんはコスト以上の価値を見い出している。「短期的に考えれば食材を仕入れる方が安くつくと思いますが、長期的に考えればこちらの方が経済的であると私たちは考えています。何より、仕入れる野菜とは味や香りが格段に異なるので、ルーフトップ・ガーデンを導入して本当に良かったと思っています。」
掲載:2012年11月