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ワシントン州の名産品「オイスター(牡蠣)」

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ワシントン州のシーフードを語る上で欠かせないのがオイスター。種類が同じでも、海からの距離、海流、潮の干満、餌の種類、餌の量など、育った環境によって味が異なるので、こだわる人が多いです。

もくじ

シアトルでのオイスターの食べ方

シアトルのオイスター・バーではいつもいろいろな種類のオイスターを揃えており、最大の収穫期とされる冬でなくとも、注文を受けてから牡蠣をこじあけてもらい、ハーフシェル(半分殻つき)でサーブし、殻を手で持ってすべて一口で食べるのが一般的です。大きくて太ったものも好まれますが、小粒のものが大人気。

その他の食べ方としては、ショット・グラスに生のオイスターとカクテル・ソースやホースラディッシュを入れて一口で飲むオイスター・シューター、そして日本でもおなじみの牡蠣フライ、さらにスモーク(いぶす)、ベイク(焼く)、パン・フライ(オリーブ・オイルとバターでローストし、白ワインとハーブを加える)、ロックフェラー(ほうれん草のソースを乗せてオーブン焼きにする)、キルパトリック(ベーコン、ウスターソース、ネギ、レモン汁、ガーリックなどをかけて焼く)、バーベキューなどがあります。

ワシントン州はオイスターの産地

ワシントン州でもピュージェット湾のあちこちでオイスターが養殖されています。

アメリカ最大のオイスター養殖業者 Taylor Shellfish Farms があるのも、ここワシントン州です。1890年代に創業した家族経営の同社は、ピュージェット湾南部のトッテン入り江でワシントン州原産のオリンピアを養殖するところから始め、現在はワシントン州とカナダのブリティッシュ・コロンビア州の1万エーカーを超える干潟で、オイスター、クラム、ムール貝、グイダックを生産しています。

ワシントン州で一般的なオイスター 7種類

ここではワシントン州で一般的なオイスターをご紹介します。

オリンピア(Olympia/Ostrea lurida)
唯一のワシントン州原産のオイスターで、ネイティブ・アメリカンの時代から重要な食材の一つ。小粒ながらも、スモーキーで銅のようなメタリックな風味が特徴です。20世紀に工業排水などによる水質の悪化で激減しましたが、復活プロジェクトが継続して行われています。

パシフィック(Pacific/Crassostrea giga)
ワシントン州で養殖されているオイスターの98%はこの種類と言われているほど一般的なオイスター。大型で濃厚なので、生牡蠣でも火を通しても人気です。ワシントン大学によると、ワシントン州には1902年に持ち込まれたのが最初で、養殖に適していることがわかった1920年代には日本から定期的に持ち込まれてきました。1970年代後半にはワシントン州で養殖したオイスターの種を使って増やす方法がとられ、日本からの輸入はなくなりました。

クマモト(Kumamoto/Crassostrea sikamea)
小粒ながらクリーミーで甘みのある味わいのオイスター。ひだが深くて美しく、カップのようになった殻が特徴です。第2次大戦後に熊本県から輸出されたマガキの種カキを養殖したもので、当初はワシントン州のピュージェット湾とウィラパ湾だけで養殖されていましたが、人気を博して「Western Gem」(西方の宝)などと呼ばれるようになり、1960年代からアメリカ各地で養殖されるようになりました。今ではクモ(kumos)の愛称で全国に普及しています。ワシントン州では Taylor Shellfish がその大半を養殖しています。

ヴァージニカ(Virginica/Crassostrea virginica)
米国東海岸原産。主にワシントン州最大のオイスターファーム、 Taylor Shellfish が養殖しています。大きくて塩辛く、汁が多いことで知られています。

トッテン・インレット・ヴァージニカ(Totten Inlet Virginica)
かつては大西洋岸の岩礁でしか見つけることができませんでしたが、1890年代に太平洋岸に持ち込まれました。北西部での養殖は難しいとされていますが、トッテン入江(Totten Inlet)でのみ養殖されています。略して「TIV」と呼ばれます。

シゴク 至極(Shigoku/Crassostrea giga)
海に浮かべたブイに取り付けた袋でTaylor Shellfish が養殖しているオイスター。潮にもまれてお互いにぶつかり合うことで、独特の殻とキュッと締まった身が特徴のオイスターができあがります。英語の「ultimate」を意味する「至極」と命名されました。

クッシ 屈指(Kusshi/Crassostrea giga)
カナダのバンクーバー・アイランドにあるディープ湾で養殖されているオイスター。小粒で、さっぱりした中にもほのかな甘みが感じられるのが特徴です。名前は英語の「precious」を意味しているそう。メッシュのトレイに並べられ、深い海に吊り下げられた状態で育て、何度かゆすることで、殻を厚くするように育てられます。

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