アメリカの週末と言えば、ブランチ!「巨大」「高カロリー」「肉と卵とジャガイモ」というイメージがありますが、シアトルのブランチはバラエティが豊富です。アメリカンなものからエスニックなものまでご紹介します。
ボリューム満点!Portage Bay Café (ポーテージ・ベイ・カフェ)
1997年創業。「ローカル」「オーガニック」「サステナブル」をモットーにしたカフェ。ユニバーシティ・ディストリクト、バラード、NE 65th、サウス・レイク・ユニオン、ウエスト・シアトルに店舗があります。一番人気は、いろいろな果物、バター、ホイップクリーム、メープルシロップを自分で好きなだけ乗せられる大きなパンケーキやフレンチトースト。「お皿に取ったものはすべて食べる」のがお約束なので、ヘルシーかどうかはそれぞれの判断におまかせ!オムレツ、ベネディクト、フリッタータなどの卵料理もボリュームたっぷり。シェアするといろいろ楽しめます。子供用メニューもあり。予約はできないので、週末は行列必至。
時代を超えた心地よさ Tilikum Place Café(ティリカム・プレース・カフェ)
2009年創業。観光地に近いところにありながら、時代を超えた心地よさを感じられる雰囲気でローカルに大人気の店。メニューは頻繁に変わりますが、ブランチでは注文から約20分かけて焼き上げられるダッチ・ベイビー(甘いものと、甘くないものの2種類)は定番です。店名はシアトル(Seattle)の名前の由来となった先住民の酋長の像が立つ小さなティリカム・プレイス・パーク(店のすぐ前にあります)にちなんだもの。”Tilikum” とは先住民のチヌーク族の言葉で “Welcome” という意味。ブランチは予約必須。その他の時間帯も予約おすすめです。
ベトナム料理のビストロ Ba Bar (バ・バー)
2011年創業。ベトナム料理のおしゃれなビストロ。朝ごはんメニューは、フォーなどの麺類や粥、バン・セオやビーフシチューなど、ベトナム料理の人気アイテムが主役です。ベトナム語で「お父さん」にあたる “Ba” をつけたのは、「自分たちにインスピレーションを与えてくれたのが父親だったから」だそう。ベトナム南部の定番料理をぜひ試してみてください。ファースト・ヒル、ユニバーシティ・ビレッジ、サウス・レイク・ユニオンに店舗があります。
モダンな中東レストラン Mamnoon (マムヌーン)
2012年創業。キャピトル・ヒルの人気スポット、メルローズ・マーケットの向かい側にあるモダンな中東料理のレストラン。シリア出身のオーナーは、マイクロソフト本社勤務やヨーロッパなどで起業した後、再びシアトルに移住した人物。母国シリアとの絆を深め、その復興に貢献しようと、中東料理を出すレストランを開店するに至ったと話してくれました。特にブランチのメニューがあるわけではありませんが、午前11時30分からのランチ営業で、人気のハマス(Hummus)、自家製の平たいパンを使ったサンドイッチのブランチをぜひ。エスプレッソやフレンチプレス、ターキッシュ・コーヒーもあります。Mamnoonとは、アラビア語で “thankful” という意味。
家庭的な地中海料理 Grappa(グラッパ)
2016年創業。ギリシャ系とトルコ系の移民がオープンした地中海料理の店。北イタリアで五代続くレストランから受け継いだレシピと、オーナー自身のアイデア、そしてマンマの味が結びついた地中海料理の数々、中でも手作りパスタ&パンがイチオシ!地元の食材をふんだんに用いたギュロス・サンドイッチやベジタリアン・メニューも人気です。
100%グルテンフリー Capitol Cider(キャピトル・サイダー)
2013年創業。シアトルで最初のサイダー・バー。常に22種類のサイダーを揃えています。エッグ・ベネディクトやビスケッツ&グレービーなど、ずらりと並ぶアメリカンなブランチ・メニューはなんと、100%グルテンフリー!
世界各国の屋台料理にインスパイアされた料理が人気 Nue(ヌエ)
2015年創業。旅好きのオーナー夫妻が世界各地の屋台でインスパイアされた料理は、次から次へと新メニューが登場して飽きさせません。トロトロの豚肉を挟んだ中華バーガーや、ブラジルのご当地ストリート・フードで揚げパンのようなアカラジェなど、シアトルではめずらしいものも。ブランチでは卵を使った料理が多く、満足度が高いと評判です。ちなみに店名は日本古来の妖怪、鵺(ぬえ)が由来だそう。
シーフードが主役 Westward(ウエストワード)
2013年創業。シアトル産の食材で日本人が惹かれるものといえば、やはりシーフード。サーモンやオイスターなど、地元産のシーフードを地中海スタイルで料理し、高い評判を得ています。レイク・ユニオンを目前とする眺めの良さもポイント。「予約がとれない」という声に、「繁雑期の夏は数週間前の予約が必要になりますが、開店時間と同時にご来店いただければ、見晴らしのいいデッキ席(予約不可)をご案内できます」と同店PR担当のLesaさん。
石窯料理が人気 Stoneburner(ストーンバーナー)
2013年創業。シアトルのバラード地域で人気のブランチスポット。ここパシフィック・ノースウエストの食材をふんだんに使い、地中海料理のエッセンスをとりいれた、石窯を使った料理が中心です。ブランチは日曜日のみで、ダッチ・ベイビー、ピザ、ムール貝やオイスターなどが人気。ブティックホテル 『Hotel Ballard』 の1階にある店内に飾られた世界各地のオブジェは見ているだけでも楽しいものです。
クラシックなパリのカフェを思わせる Cafe Campagne(カフェ・カンパーニュ)
1994年創業。観光地のパイク・プレース・マーケットにありながら、ローカルの常連も多い店。クラシックなパリのカフェを思わせる雰囲気は、今も変わりません。週末のブランチでは、クロックマダムやクロックムッシュなどの定番料理のほか、自家製ソーセージ、日替わりスープなども楽しめます。
セントラル・ディストリクトの人気店 Fat’s Chicken and Waffles(ファッツ・チキン・アンド・ワッフルズ)
2015年創業。周囲はさびれた感がありますが、セントラル・ディストリクトの人気店です。ブランチでは、ハニーバターチキン・ビスケットサンドイッチや、フライドチキンとワッフルのセットが人気。フレンドリーなサービスが印象に残ります。
1980年代から続く、フォー専門店 Pho Bac Súp Shop(フォー・バ・サップ・ショップ)
1982年に両親が創業した店を引き継いだ、2代目が経営するフォー専門店。「米国の料理界のアカデミー賞」と言われるジェームズ・ビアード賞の優れたレストラン経営者部門のセミファイナリストにノミネートされました。盛り付けがダイナミックで、アツアツのスープが美味。ダウンタウンにも店舗があります。両親が創業したピンクの船の形をした建物は同じ駐車場内にあり、フライドチキンの店としてリニューアルオープンしました。
フィリピン料理店 Musang(ムサン)
フィリピン系アメリカ人シェフのメリッサ・ミランダさんが、2016年にポップアップから始め、2020年に実店舗を開店。2022年と2023年の「米国の料理界のアカデミー賞」と言われるジェームズ・ビアード賞の北西部・太平洋諸島の最優秀シェフ部門のノミネートされました。ブランチでは、ヤマイモ科のウベを使ったフレンチトースト、おかずとご飯、目玉焼きがセットになったフィリピンの定食シログ(Silog)、ショートリブのタパ(漬け焼き)などが人気です。店名はタガログ語で「野生の猫」を意味していますが、メリッサさんの父親が運転していたMustang(マスタング)のディカルのTが取れ、Musangと読めるようになってしまい、それが父親のあだ名となったことに由来しているそう。