お魚豆知識– category –
ワシントン州で味わえるいろいろな魚について、宇和島屋鮮魚部の沖さんが解説してくれます。
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カラスミ
カラスミは、主にボラ(mullet)やサワラ(Spanish mackerel)の卵巣で作る塩乾品です。脂肪の多い濃厚な味で、未熟な卵巣で作ったものの方が上等とされています。スズキ(Japanese seabass)やマグロの卵巣などからも作ることができます。 簡単なカラスミ... -
コノワタ(海鼠腸)- ナマコの内臓の塩辛
コノワタは中華料理の材料のイリコ(ナマコの肉を煮て乾したもの)を作る際の副産物を利用した、ナマコの内臓の塩辛です。 脱腸器、または箸などを使って抜き取ったナマコの腸を集め、砂や汚物を海水中で丁寧に取り除き、さらによく洗ってから水切りし、20... -
ズワイガニ (漢字名:楚蟹、分類:十脚目クモガニ科、英名:Snow Crab)
Image by ksbaeg from Pixabay 日本の本州北部の太平洋岸から北部、日本海の朝鮮半島北部、北太平洋北部の海域に広く分布し、大西洋北部にも棲息しているズワイガニ。 日本では越前・越中・山陰と日本海沿岸で珍重され、ズワイ、越前ガニ、松葉ガニと、土... -
スケトウダラ (漢字名:介党鱈、分類:タラ目 タラ科、英名:Alaska Pollock)
スケトウダラは、タラ目タラ科に属する魚で、「スケソウ」「スケソウダラ(助宗鱈)」とも呼ばれます。韓国では 「メンタイ」「ミンタイ(明太魚)」と呼ばれているそうです。 北日本からオホーツク海、ベーリング 海、アラスカにかけて分布していますが、... -
ホタテ貝(漢字名:帆立貝、分類:ウグイスガイ目イタヤガイ科、英名: Scallop)
ホタテ貝は東京湾や能登半島以北、特に水温の低い海に多く棲息しています。波の静かな浅海の砂底にもぐっており、時には殻の開閉運動によって水中を泳ぐこともあります。 形はほぼ円形で、一方はやや膨れ、もう一方はほとんど平ら。殻の表面は灰白色の地に... -
ウマズラハギ (漢字名:馬面剥、分類:フグ目カワハギ科、英名:Filefish)
日本にいる友人が「長崎で食べたウマズラ(ウマヅラハギの別名)がうまかった」と言うので、宇和島屋でも類似品を米国西海岸で手配できないか調べましたところ、残念ながらそれに近い魚はいませんでした。 ウマズラは体長30~40センチで、黒青色をしており... -
ロックフィッシュ(目抜:Rockfish)
日本ではキンキとメヌケとは区別されていますが、シアトルでは総称して "rockfish" と呼ばれています。 これは、"rockfish" の種類があまりに多いため、長年の経験がないと見分けが付かないためとも思われます。 また、日本人は、種類により、刺し身・煮付... -
モズク (水雲/海雲:Mozuku)
世界には1万種類以上の海藻があると言いますが、そのほとんどがアオサ、アオノリ等の緑藻類、ワカメやコンブ、ヒジキ、モズクなどの褐藻類、テングサなどの紅藻類に分けられます。海藻は代表的な健康食品の1つですが、20種類以上の海藻を食べる文化を持つ... -
ヒラメ (漢字名:平目、分類:カレイ目ヒラメ科、英名: Fluke、Flounder)
千島列島以南の各地から南シナ海の沿岸の水深10~200メートルの砂底に生息しているヒラメは、水産上重要な魚種で、成長が速く、種苗放流や養殖も各地で盛んに行われています。 1980年代前半から養殖も行われるようになり、2019 年の養殖の漁獲量(陸上養殖... -
ダンジネス・クラブ (アメリカイチョウガニ:Dungeness Crab)
写真提供:Izumi ダンジネス・クラブは、南はメキシコから北はアラスカまで、広範囲で漁獲される重要な食用ガニで、一部は "cooked Dungeness crab" として日本にも輸出されています。 宇和島屋に限らず、当地の業界では "crab" と言ったらこのダンジネス... -
ホッキガイ (漢字名:北寄貝、英名:Surf Clam)
ホッキガイの正式名称はウバガイですが、東北や北海道ではホッキといい、市場ではホッキガイと呼ばれています。 大きさは、殻長10cm、殻高8cm、殻幅6cm に達し、黒褐色で、2歳で7cmとなり、市場に出るサイズとなりますが、漁獲されなければ 20 年も生きる... -
アラスカ産の天然紅鮭の流通
天然紅鮭(sockeye:ソッカイ)は、多くの日本人が大好きな魚です。5月15日頃のアラスカのカッパー・リバーにおける初漁から、9月上旬頃のワシントン州ピュージェット湾での漁まで、約5ヶ月にわたりアラスカからワシントン州で漁獲されます。 カッパー・リ... -
ニベ (漢字名: にべ(さかなへんに「免」)(Yellow Croaker/Yellow Corvin)
イシモチあるいはグチと呼ばれることもあるニベ類。全身がほぼ一様に光沢のある銀白色をしており、頬には暗色班が一つあるのが特徴で、ややずんぐりとした体型です。 インド洋、太平洋海域に分布し、日本では東北以南の水深20~140mほどの泥底から底曳き網... -
ボタン海老(Spot Prawns)
© Taichi Kitamura ボタン海老(Spot Prawns)、アマエビ、トヤマエビなど、日本でも流通名や地方名により呼び方に大きな混乱が生じていますが、タラバエビ科の仲間です。 寒い海に生息するエビ タラバエビとは鱈場エビのことで、タラがすむ海、すなわち寒... -
カラマリ(イカリング揚げ:Calamari)
カラマリは、イカの輪切り空揚げ、またはイカリング空揚げとでも言いましょうか。その名の通り、日本語ではありませんので、当然、欧米人全員が知っていて、日本人である我々が知らないというのは恥ずかしいことではありません。筆者の育った東京の足立区...