イボダイは、体長12cm~18cm程度の小型魚。銀灰白色で、体表はシマアジに似た押型線が浮き出ており、体表面より粘液を出す性質があります。これがバターを塗ったように見えるため、英語では butterfish と呼ばれています。
イボダイは日本の魚市場ではエボダイとも呼ばれ、日本の本州中部以南と東シナ海で底引き網、刺し網、定置網などで年間1500~8000トンくらい漁獲されています。千葉県以南、特に南日本に多く見られ、関西ではシズとも呼ばれています。
淡泊な白身で柔らかく、日本では夏から秋にかけてうまい魚で、照焼き、味噌漬け、蒸し魚、唐揚げ、あんかけ料理、フライ、バター焼き、ムニエルなどにして、おいしく食べられます。
米国東海岸で底引き網で漁獲される butterfish がイボダイです。以前、この butterfish を日本の輸入業者向けに輸出を計画しましたが、不漁のため玉の確保が困難なこと、脂のりが重要で、脂が少ないと半値以下の価値となってしまうこと、中国のイボダイが好漁等の理由により、輸出は成立しませんでした。
シーズンは米国東海岸で12月から4月、メキシコ湾では9月から12月となっています。
余談ですが、ハワイで butterfish と呼ばれている魚はギンダラ(black cod)です。
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