アメリカン・ロブスターは日本ではオマールと呼ばれ、形は日本の淡水産のザリガニ(アメリカ・ザリガニ、十脚目ザリガニ科)と似ていますが、それよりも大きく、20~50cmほどに成長します。米国大陸東海岸のカナダはニューファンドランドから米国ノースカロライナまで分布し、米国ではメイン州が主産地。海の浅いところの岩の下などに潜み、中には1メートル以上になるものもあります。米国東海岸では盛んに漁獲され、年間漁獲量は6万トンにも達します。宇和島屋でもお客様の便宜をはかり、このアメリカン・ロブスターの手ごろなサイズ(体長20~30cm、体重550~900g)を1年中活水槽に入れて販売しております。特にこれから年末までのホリデー・シーズンには欠品のできない重要商品です。
日本人にとって、正月といえば、イセエビ。伊勢湾で獲れたエビに、神事の中心地の伊勢を代表する呼び名をつけたのがそのまま残ったようです。エビを代表する品種で、堅い甲殻に長い触覚のヒゲが威容を誇って気品があり、古来、武勇と長寿のシンボルとして祝宴祝儀用として珍重され、正月料理の飾り付けなどにもよく使われてきました。体長は15~50cm前後になります。国内産では八丈島・千葉・茨城・三重・九州産の活物がありますが、これに加えて最近は輸入物も増加し、豪州産の活物も市場に出回るようになりました。体色は濃い赤黒の褐色ですが、加熱すると鮮やかな朱赤色に変わります。なお、イセエビはイセエビ科で、アメリカン・ロブスターとは異なります。米国でも南カリフォルニア、およびフロリダでもイセエビに該当するエビはあります。しかし、残念ながら産地からの輸送上の問題、および温水の活水槽が必要なことなどの理由から、宇和島屋では活きた正月用のイセエビの取り扱いは困難な状況です。
掲載:2006年11月
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