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カニカマ (英名:Imitation Crab Meat)(1)

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今では世界的な商品となりました 『カニアシ』、または 『カニカマ』(カニ風味かまぼこ)は、日本で昭和48年(1973年)頃に開発・発売され、空前のヒットとなりました。時代の潮流を見事にキャッチし、輸出向けにアレンジされたこの商品は、アメリカにおいて 『ホワイト革命』と呼ばれるほどの一大食品ブームを巻き起こしました。この 『カニカマ』 の主原料はスケトウダラ(助宗鱈:同じタラ科だがマダラ真鱈ではない)の冷凍すり身(練り製品のカマボコ、さつま揚げ、ちくわ、はんぺんなどの原料)です。冷凍すり身は、アラスカで大規模な漁業船団の母船内で加工された船上すり身が使用されています(船上すり身は陸揚げした原料魚を工場で加工した陸上すり身とは品質面で区別されています)。

第2次大戦前までの練り製品生産は、現在のような量産体制が整っていなかったため、せいぜい数人という製造工場が多く、原料魚も地元で獲れた魚を使用し、冷凍設備もなく、夏場は休業せざるを得なかったようです。戦後になり、東シナ海での底引き網漁業の開始と共に、シログチ・イトヨリダイ・タチウオなどの安い魚の安定供給、保冷技術や流通網も手伝って、生産工程の機械化と製品の量産が可能になりました。その結果、練り製品の生産は質・量ともに増加を続け、近海物の原料魚だけでは需要を満たせなくなりました。この時に登場したのが、スケトウダラの冷凍すり身だったわけです。

このスケトウダラは、戦前生まれの方々には戦中戦後を通して配給魚のイメージがあり、まずい魚の代表のように思われているようですが、上述の通り、冷凍すり身、およびタラコやメンタイコの原料魚として、我々日本人だけではなく、世界中の人にとって貴重な資源の一つとなってます。その他、すり身原料として、オヒョウ・アイナメ・タラ・カレイ類は使用できますが、ギンダラ、およびメロ(銀ムツ)は脂が多く、すり身には向かないようです。

カニカマは本物のカニ身のように見え、用途も多様で、サラダや寿司、カリフォルニア・ロールやてんぷら、鍋もの、麺類の具などに使用されています。この多様な用途に応じ、宇和島屋鮮魚部でも各種のカニカマ製品を取り揃え、お客様の便宜を図っております。

掲載:2009年7月

『お魚豆知識』 は、宇和島屋鮮魚部の沖良三さんが発行している 『Seafood Newsletter』 の一部です。宇和島屋の入荷商品やおすすめ商品の情報が満載ですので、ぜひご購読ください。お申し込みは seafoodnews@uwajimaya.com まで、日本語でどうぞ。

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