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マニラクラム (英名:Manila clam 別名: Steamer clam)

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マニラクラムは、ワシントン州とオレゴン州に広く分布している二枚貝です。天然、および種苗生産がありますが、ほとんど見分けがつきません。

漁場にまかれた稚貝は3年で親貝になり、殻長は約5cm、殻高は約3cm になります。形状、および味とも日本産のアサリと似ていますが、マニラクラムは殻長3cmのアサリよりはかなり大き目。学名もマニラクラムは "Venerupis staminea" なので、日本のアサリの "Ruditapes pbilippinarum" とは違うようです。

シアトルとポートランドではマニラクラムの名称で流通され、宇和島屋でも欠品することもなく周年販売しています。全店舗で水産物の売り上げ上位ベスト10に入るほどの人気商品として、さまざまな人種のお客様に広くお買い上げいただいてます。

マニラクラムの調理方法は、日本人にとっては多種多様ですが、一般的に米国人は蒸してバターをつける、イタリア系はスパゲテイ、スペイン系はパエリア、フランス系はブイヤベース、英国系はクラムチャウダー、中国系は発酵黒豆との炒め物となるのでしょうか。

15年前頃の夏、フッドカナルでマニラクラムを生産している業者に貝掘りに誘われ、60年ぶりに貝掘りをしました。童心に返って掘り始めましたが、さすが、業者の養殖貝漁場だけあって、短時間でバケツが一杯になりましたので、早々に切り上げることに。その後は静かな入江の海をのんびりと眺めながら、65年ほど前の潮干狩りのことを思い出していました。

東京の足立区からはるばる両親に連れられ兄弟3人で行った先は、国鉄(現在のJR)または京成線の浦安、谷津あるいは稲毛だったか。小学校4年生ぐらいだったため思い出せません。駅からほぼ真っ直ぐに潮干狩り場まで道路が伸び、夏のためか、両側に潮干狩りや海水浴に関連した商店が軒を連ねていた記憶があります。無料の潮干狩り場だったからでしょうか、何時間掘ってもアサリがたくさん獲れた覚えはありませんが、テレビもビデオゲームも何もない殺伐とした時代に、電車に乗れる、海に行ける、また、質素ではあっても手作りの弁当が食べられる、それだけで満足した次第です。その後、この地域には行っていませんが、今では埋め立てられ、タワーマンション、各種展示会会場、商業街または住宅街等になっているかもしれません。

掲載:2007年2月 更新:2022年5月

『お魚豆知識』 は、宇和島屋鮮魚部の沖良三さんが発行している 『Seafood Newsletter』 の一部です。宇和島屋の入荷商品やおすすめ商品の情報が満載ですので、ぜひご購読ください。お申し込みは seafoodnews@uwajimaya.com まで、日本語でどうぞ。

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