カジキの仲間は大きくメカジキ科とマカジキ科に分けられます。その大きな違いは、メカジキ科には腹びれがなく、マカジキ科にはあることです。
カジキは漢字で「梶木」や「舵木」と書きます。いずれも船の用材を指しますが、この魚があまりにも凶暴なため、舟板を突き通すという意味で「梶木通し」といわれたことから付けられました。
「カジキマグロ」の名でマグロ類の代用品として刺身や惣菜に使われることが多く、またスポーツフィッシングの対象魚として大変人気があります。
カジキの仲間とマグロを含むサバ科とは全く別のグループであるため、「カジキマグロ」という言葉は不適切だと言う学者もいるようです。カジキの仲間はサワラ類と共通の祖先を持ち、サバの仲間であるマグロとは明瞭に区別できるとの学術的結果が提出されたという理由からです。
メカジキは非常に性質が荒く、大型の魚や鯨を攻撃するといわれます。その大きさは、全長4.5m、体重500kg 以上にもなります。世界中の温帯から熱帯、日本では北海道南部以南・三陸沖・伊豆諸島近海などに分布し、漁法は主に延縄で獲られ、10月~3月頃の冬季が良品とされています。身は白に近い淡桃色で脂肪が多く、ステーキ・燻製などのために欧米に冷凍輸出されます。刺身よりも、フライ・味噌漬・醤油漬・上質の練り製品の原料・水煮及び油漬けの缶詰にされることが多いです。
このメカジキは、米国では少し高級なレストランのメニューに多々見られる、人気の高い魚のひとつ。脂の乗った硬めな身は、肉のステーキと同様にステーキ・カットをグリルにし、塩・胡椒・レモン汁をかけるのが一般的なようです。宇和島屋でもハワイ産生メカジキを Sword Fish の名前で販売しています。
掲載:2009年6月
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