プリンス・ウィリアム・サウンド(Prince William Sound:PWS)は、アラスカ州最大の都市アンカレッジ(Anchorage:人口25万人強)の東にある、巨大ながら風光明媚な入江です。
ウィッテア(Whittier)、バルデイーズ(Valdez)、コルドバ(Cordova)などの水産基地があり、水産会社の重要な生産拠点にもなっており、鮭鱒・オヒョウ・ギンダラなどの水産物の宝庫。3月からオヒョウおよびギンダラ、5月から紅鮭、キングサーモン、チャムサーモン、鱒(ます)、銀鮭が順次解禁されます。その間にニシン漁もあります。
観光地としても有名で、氷河を見る遊覧船もあります。アンカレッジからバルデイーズまで20人程度が乗れるプロペラ機で約1時間半程にわたり氷河や入江の絶景を見ながら移動するツアーは特に、何度乗っても飽きの来ない景色でした。日本からアラスカに出張する水産関係者なら、一度ならずこの飛行機を利用されたことでしょう。なお、アンカレッジやシアトルからコルドバ行きの便はボーイング737のため、残念ながら景色の楽しみはありませんでした。
日本の面積の5倍以上もあるアラスカですが、日本の水産業者が行く場所は限られていることから、空港、また町の路上、生産加工場で同業者(競合?)ともばったり出会ったりするので、隠密行動はできず、お互いの行動や手の内が分かってしまう気まずい面もありました。