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鮭鱒の漁法

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5月15日からついにカッパー・リバーの紅鮭およびキング・サーモンの漁が始まり、鮭鱒のシーズンが本格化しています。

鮭鱒は平均的な日本人が大好きな食材の一つで、北カリフォルニア州沖からオレゴン州、ワシントン州、カナダ州、アラスカ州、ロシアおよび日本にかけて広く分布しています。

日本の水産業者は鮭鱒およびその卵(イクラ、筋子に加工)を追い、5月から10月の昼夜にわたって北太平洋岸で熱い商戦が行われます。今回はその鮭鱒の主な漁法についてご紹介します。

  • 流し刺し網(gill net):群泳移動する鮭の進路をさえぎって張った長い帯状の網に絡ませるもので、網糸はできるだけ細くし、水中で目立たないようにします。網目の大きさを魚体の大きさに合わせたものを使用し、魚の頭部網目を通り、丁度、えらの所に網糸がかかり、抜けないようにします。
  • 巻き網(purse seine):活発な鮭の魚群をすばやく網で取り巻いて漁獲する最も機敏性のある漁法です。長い帯状の網で、魚群を巻くのですが、網すそを早く閉めて下方から魚群が逃げるのを防止するために、網の下縁に沈子を兼ねた多数の金属環を付け、ワイヤーを通し、網の口を締めるように敏速に網すそを締結します。また、左右の網端の合わせ目はすき間ができやすいので、重い分銅を降ろして網を寄せます。
  • 定置網(set net):大小、形もさまざまですが、一般に、陸岸から沖に向けて垣網と呼ぶ網を垣根状に張ります。その先に箱形の囲網があり、来遊する鮭は垣網から囲網の中へと誘導されます。
  • 一本釣り(trolling):小型の動力船を走らせながら、舷側から張り出した竿や船尾から数本の長い釣り糸を引き、それぞれの先に擬餌針をつけて海上を引き回すもので、曳航される擬餌を追って、活発な鮭がかかってきます。擬餌は引かれると水面に浮きやすいので、釣り糸と釣素の連結部に潜入板をつけます。小規模ですが、魚の漁獲があがり、なかなか効率の良い漁法です。

昭和32年頃(1957年頃)、筆者が東京足立区で住んでいた町は、川や運河および溜め池で四面を囲まれた、洪水の恐れがあるところでした。そこでは、次のような方法(当時我々遊び仲間で使用していた現地用語もあります)で魚や貝類を釣ったり獲ったりしていたものでした。

  • 釣り:針に餌、竹竿の糸に浮きを付け、浮きの動きを見計らい、魚を釣る。主にフナ、コイ、クチボソが釣れた。
  • ぼっかん:鉛を重しにして糸が浮かないようにし、その糸の先端の針に餌、竹竿と糸の結び目に鈴を付ける。鈴の鳴り具合により、竿をあげる。川底のウナギを狙うが、実際にはナマズが多くかかった。
  • 4手網(よつであみ):四角い大きな網(大小ある)を水面下におろし、定期的にあげ、一網打尽に魚を獲る。主にフナおよびクチボソなどが釣れた。
  • かいぼり:泥、石及び木等で水をさえぎり、水をかい出し、魚を獲るという原始的な漁法。主にコイ、ライギョ、フナ、ウナギ、ナマズなどが釣れた。
  • 素手つかみ:運河で、砂の窪みの水溜まりにいるハゼを素手で獲ったり、中川で艪舟(ろぶね)から川に飛び込み、素潜りでカタッケ(殻の直径約20cmの大きな黒い貝で、食用にもなった)を獲る。カタッケ獲りは命がけ。一度のもぐりで貝をたくさん獲ったと遊び仲間にみせびらかすため、川の底の貝を一生懸命で探しているうちに苦しくなり、あわてて川底(水深は何メートルだったのか?)を足でおもいきり蹴って水面に浮き上がり、命拾いしたことは一度ならずあった。
  • 仕掛け:竹籠をうまく工夫し、一度ウナギが入ると、逃げられないようになっている。
  • たな網:竹竿に直径30cm程の丸い針金の輪に網をつけ、フナやクチボソなどの魚をすくう。
  • 投網(とあみ):重りを付けた大きな網を艪船の上から力一杯投げ、一網打尽に魚を獲る。これは子供には網が重過ぎできなかった。主にコイ、フナ、ウナギ、ナマズ、サヨリなどが釣れた。

今でもそうかもしれませんが、当時の東京ではシーズンのあった潮干狩り、また有料の釣堀以外はいつどこでどんな魚を釣ろうが無料でした。ワシントン州では魚介類を釣る・獲るには、たとえ遊びでも州発行のフィッシング・ライセンス(Fishing License)を購入する必要があります。また、何かと規則がありますので、十分に調べてから、必要なライセンスを購入して下さい、念のため。

掲載:2006年6月

『お魚豆知識』 は、宇和島屋鮮魚部の沖良三さんが発行している 『Seafood Newsletter』 の一部です。宇和島屋の入荷商品やおすすめ商品の情報が満載ですので、ぜひご購読ください。お申し込みは seafoodnews@uwajimaya.com まで、日本語でどうぞ。

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