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シイラ (Dolphin Fish、分類:スズキ目シイラ科、ハワイ名:マヒマヒ Mahi-Mahi)

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シイラは、平べったく、細長い板状の体、突き出した額という、独特な体型を持つ、沖合性の表層遊泳魚です。

流木など大型の漂流物の陰に潜んで小魚をねらう習性があるので、竹などを束ねて海面に浮かべ、その下に集まったシイラを巻き網で獲る「シイラ漬け」という漁法が有名です。

世界中の海に分布し、日本では本州中部以南の沿岸からやや沖合いにかけて見られます。稚魚は体側に十数本の暗色黄帯を持ち、流れ藻などの下に付くことが知られています。大型になると最大で全長2m程になり、釣りでの引きが強く、引っ掛かるとと派手にジャンプして暴れるため、トローリングの好対象魚として高い人気があります。

釣り上げた瞬間は背部が光沢のあるエメラルドグリーン、腹部金色みの強い銀白色といった具合に非常に美しい色をしていますが、死ぬとその鮮やかさも急速にくすんでしまいます。

日本では食用としてはあまり利用されていませんが、ハワイではマヒマヒ(mahi-mahi)と呼ばれて名物料理の素材として珍重され、ハワイ以外の米国内でもレストランのメニューの一つになっているほど、米国では深く浸透しています。

宇和島屋のベルビュー店、およびビーバートン店では欠品できない定番商品です。これほど極端に評価の分かれる魚も珍しいですが、ぜひ一度、塩焼き、照焼き、バター焼き、粕漬け、味噌漬け、またはフライでご賞味ください。脂肪が少ないので、フライがとてもあうようです。

大きな半身を天日干しにすると、味の良い干物になりますが、間違っても、北海道名産のトバの類似品を作らないようにして下さい。トバとは、半身の秋鮭(秋に獲れる鮭のため秋鮭と呼ばれている)に縦に包丁を入れ、涼しくて乾燥した昼間と、かなり冷え込んだ夜間の気温の微妙な温度差を利用して作る乾燥鮭です。北海道の天候と似たアラスカのユーコン川近辺では鮭を、中国の吉林省ではスケトウタラなどを、これと同じような方法で加工して食べるようです。しかし、工程中に発する独特の臭いのため、隣り近所からのクレームが来ても、また、最悪の場合、訴訟大国の米国で裁判沙汰になっても、責任は負いかねますことを、あらかじめご了承ください。

掲載:2006年4月

『お魚豆知識』 は、宇和島屋鮮魚部の沖良三さんが発行している 『Seafood Newsletter』 の一部です。宇和島屋の入荷商品やおすすめ商品の情報が満載ですので、ぜひご購読ください。お申し込みは seafoodnews@uwajimaya.com まで、日本語でどうぞ。

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