スケトウダラは、「スケソウ」「スケソウダラ(助宗鱈)」とも言い、韓国では「メンタイ」「ミンタイ(明太魚)」と呼ばれているそうです。
成長は早く、寿命は14~15年、マダラによく似た魚ですが、体形は細長く、最大で全長80cm、体重3kgぐらいにもなります。海の中層に棲み、産卵期は2~4月、主に12月から2月に漁獲されます。
北日本からオホーツク海、ベーリング海、アラスカにかけて分布していますが、太平洋岸には少なく、日本海側に多く見られます。水産上、重要な魚で、底魚類の中では最も資源量が大きいと考えられており、底引き網、刺し網、延縄などで漁獲されます。マダラに比べ傷みやすく、傷むと直ぐ味が落ちるため、一般消費者に届く頃にはまずくなりますが、1月から2月までが旬で、新鮮なものは刺身として食べられ美味とのことです。
「カニアシ」、または「カニカマ」は、昭和47年(1972年)ごろに日本で開発・発売され、ヒット商品となり、米国を含む世界中に輸出されてきました。今ではアメリカ・中国・韓国・タイ・ベトナムなどでも生産されています。この「カニカマ」の主原料はスケトウダラの冷凍すり身で、練り製品のカマボコ、さつま揚げ、ちくわ、はんぺんなどの原料でもあります。
タラコや辛子メンタイコの原料魚でもあるスケトウダラは、我々日本人だけではなく、世界中の人の貴重な水産資源の一つとなっています。精巣もマダラと同 様、シラコ(白子)と呼ばれ、食されます。シアトルは水産の都でもあり、生鮮魚介類は周年豊富ですが、スケトウダラの漁場がアラスカ州という遠隔地である ことから、鮮度の良い生鮮スケトウダラの入荷は難しいため、宇和島屋ではスケトウダラは扱っておりません。
10年前ごろまで、筆者がスケトウダラを原料とするスリ身商品のカニカマの実演をするたびに思ったのは、アメリカに紹介されて30余年以上にもなるのに、日本人を除き、未だに商品を知らない人があまりにも多かったということです。あれから10年、カニカマは広いアメリカの各地に浸透してきていると思われます。
宇和島屋各店舗ともスケトウダラの身肉を原料とする各種類のカニカマ製品、およびスケトウダラの原卵から加工製造した何種類かのタラコや辛子メンタイコ及びを販売しております。
掲載:2010年4月 更新:2020年3月
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