スケトウダラは、タラ目タラ科に属する魚で、「スケソウ」「スケソウダラ(助宗鱈)」とも呼ばれます。韓国では 「メンタイ」「ミンタイ(明太魚)」と呼ばれているそうです。
北日本からオホーツク海、ベーリング 海、アラスカにかけて分布していますが、太平洋岸には少なく、日本海側に多く見られます。水産上、重要な魚で、底魚類の中では最も資源量が大きいと考えられています。
マダラによく似た魚ですが、体形は細長く、最大で全長80cm、体重は3kgぐらいにもなります。海の中層に棲み、成長は早く、寿命は 14〜15年。産卵期は2〜4月で、主に12月から2月に底引き網、刺し網、延縄などで漁獲されます。
マダラに比べ傷みやすく、傷むとすぐ味が落ちるため、一般消費者に届く頃にはまずくなりますが、1月から2月までが旬で、新鮮なものは刺身として食べられ、美味とのことです。
2021年の世界の総漁獲量は約348万トン。国別では1位のロシアが約348万トン、2位の米国が約146万トン、3位の日本が約17万トンでした。日本での漁獲量の1位は北海道で約95%に当たる約16.15万トン、2位の岩手県は 3%(約0.5万トン)でした。
スケトウダラの冷凍すり身は、昭和47年(1972年)ごろに日本で開発・発売されてヒット商品となった「カニアシ」、または「カニカマ」の主原料。練り製品のカマボコ、さつま揚げ、ちくわ、はんぺんなどの原料でもあります。「カニカマ」は米国を含む世界中に輸出され、今では米国・中国・韓国・タイ・ベトナムなどでも食べられています。
また、タラコや辛子メンタイコの原料魚でもあるスケトウダラは、我々日本人だけではなく、世界中の人の貴重な水産資源の一つ。精巣もマダラと同様、シラコ(白子)と呼ばれ、食されます。
シアトルは水産の都でもあり、生鮮魚介類は周年豊富です。しかし、スケトウダラの漁場がアラスカ州という遠隔地であることから、鮮度の良い生鮮スケトウダラの入荷は難しいため、宇和島屋ではスケトウダラは扱っておりません。
筆者は15年前ごろまでスケトウダラを原料とするスリ身商品のカニカマのデモをしていたのですが、そのたびに、米国に紹介されてから35 余年以上にもなるのに、日本人を除き、未だに商品を知らない人があまりにも多かったことを覚えています。しかし、今はカニカマはこの広い米国の各地に浸透してきていると思われます。宇和島屋各店舗ともスケトウダラの身肉を原料とする各種類のカニカマ製品、及びスケトウダラの原卵から加工製造した何種類かのタラコや辛子メンタイコを販売しております。