魚介類を乾燥させた保存食の歴史は長く、現在もスルメやイワシ、タラやニシンなど、多数の魚介類が材料となっています。その約70%を占めるのがスルメ。スルメとはイカの胴を切り開き乾燥させたもので、原料となるイカの種類や製法の差異などによって異なった名称がつけられています。たとえば、ケンサキイカを原料としたものは 『ケンサキスルメ』 と一般に呼ばれていますが、貿易市場では 『1番スルメ』 と呼ばれ、肉厚で甘みがある最高級品。九州各県、そして山口県などで作られています。また、スルメイカを原料としたものは 『2番スルメ』 と呼ばれ、産額が多く、その70-80%は北海道で生産されています。これらの名称は徳川幕府時代に中国へ輸出する際につけた等級がそのまま用いられているようです。
スルメはそのまま焼いて食べたり、水でもどして数の子に加えたり、油で揚げたりするほか、のしイカ、刻みスルメなどの材料にもなります。約40年前の話で恐縮ですが、日本でのサラリーマン時代、帰宅前に有楽町界隈で同僚とよく飲み、「熱燗に、アタリメと塩辛!」と注文したものです。アタリメとは焼いたスルメですが、マヨネーズや醤油をつけて、食べたものでした。
宇和島屋各店では毎年12月に正月商品の定番の1つとして日本人また日系人のお客様向けにスルメイカをご用意しています。
掲載:2007年12月
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