日本の本州北部の太平洋岸から北部、日本海の朝鮮半島北部、北太平洋北部の海域に広く分布するほか、大西洋北部にも棲息しているズワイガニ。日本では越前・越中・山陰と日本海沿岸で珍重され、ズワイ、越前ガニ、松葉ガニと、土地で呼び名も変わりますが、水産業界はすべて同一のオピリオ(opilio)種として扱われます。
淡褐赤色の脚の脚の細い体形で、各節の断面は丸く、関節が比較的自由に動くため、前にも斜めにも歩くことができます。しかし、歩脚が長過ぎるため、速く歩くことはできません。毛蟹と違って、甲羅の身肉が少なく、オスの脚肉が珍重されます。また、脚肉に光沢と弾力があって、繊維が絹糸のように細くなっています。市場には姿のままでボイルしたもの、生のズワイの脚、ボイルして冷凍されたズワイが出荷されます。
おいしいカニが漁獲される海域はマダラが多いとか。アラスカ産のカニが美味しいのも、マダラのためでしょうか。刺し身・鮨・鍋・棒脚のテンプラ、カニ酢、爪のフライなど、さまざまな料理に使われます。アラスカとシアトルの水産業者間では、雄の甲幅14cm のズワイガニのオピリオ種に対して、見かけは色も形もズワイガニそっくりな雄の甲幅15-18cmの大型種をバラダイ種(bairdi)と呼び、区別します。このバラダイ種の漁は少し遅れ、2月中旬頃から始まります。
アラスカのオピリオ漁は通常10月15日より翌年の5月31日までオープン。今年も年明けの漁が始まってますが、本格的な漁は1月25日頃以降。宇和島屋鮮魚部でも価格次第で活でオピリオを仕入れてきました。今年も近々価格が業者から提示されますので、価格が見合えば仕入れることを予定しています。
掲載:2008年1月
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