練り製品の製造法は、江戸時代末期頃に基礎が確立されました。その後、原材料の変遷はありましたが、冷凍すり身技術が確立されるまで、基本的な製法には大きな変化は見られませんでした。大量の機械生産ではスケトウダラの冷凍すり身が練り製品原料の大半を占めるようになってから、採肉・水さらし・脱水の工程が省かれるようになり、生産性が大変向上しました。その従来の工程の概略は次の通りです。
- 採肉: 原料魚から骨や内臓を取り除いて身肉だけにする。その後、大量の水でさらしてから脱水する。
- 攪拌(カクハン) 1: 脱水した後、よく練る。
- 攪拌(カクハン) 2: 約3%の塩を加え、さらに混和する。このとき必要な具(野菜・魚介類)を適当に入れ、味付けする。
- 成形: 製品によって異なるが、型に流し込んだり、手で形作ったり、板に盛り付けたりする。
- 加熱: これも製品によって異なるが、蒸す・焼く・揚げるなどの方法で加熱し、固めて製品とする。
冷凍すり身は、アラスカで大規模な漁業船団の母船内で加工された船上すり身が使用されています。しかし、日本各地の名産品とされている練り製品の多くは、本来、地元で獲れた魚を利用して生産されています。宇和島屋では、常時生鮮メヌケ・カサゴ・キンキ類(rockfish、rougheye、yelloweye、red
snapper、idiot fish)を取り扱っていますので、練り製品をご家庭で作ってみてはいかがでしょうか。なお、その他、シアトルの地元の魚としてオヒョウ(halibut)、アイナメ(ling
cod)、タラ(pacific cod)、カレイ(sole)類等、各種豊富な生鮮魚をすり身魚として使用することができます。ギンダラ(black
cod)およびメロ(sea bass)は脂が多く、すり身魚としてはお勧めできません。
掲載:2005年4月
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