キャンプの楽しみの一つは、太陽の下でみんなで食べるごはん。キャンプファイヤーをしながら料理ができるダッチオーブンは、日が長いノースウエストのキャンプにピッタリ。みんなでワイワイ用意したたき火を使って準備をして、鍋を開けた時の歓声は、キャンプをさらに盛り上げること間違いなしです!今回は、ちょっとごちそう(に見える)「鶏の丸焼き」をご紹介しますね。
【追記】 ワシントン州天然資源省(DNR)は、乾燥した気候における火事の発生・拡大を防止するため、州立公園などでのキャンプファイアを禁止することがあります。現在の状況は DNRの公式サイトなどでご確認を。
鍋を用意する
ダッチオーブンの鉄鍋を用意します。いろいろな鉄鍋がありますが、4-5人くらいのキャンプならば Lodge 社のダッチオーブンで直径10インチのものがおすすめ。
アメリカ製なので日本よりも手ごろな値段。キャンプ専用なのでたき火の中で丸焦げになってもいいような、シンプルで最低限な塗装とデザインです。鶏の丸焼きを焼くには少し深さが必要になります。
あると便利なもの
鉄鍋は重くて、加熱後は熱いので、手で触ることができません。そのため専用ツールがあると便利です。先に引っ掛けて熱い鍋を運んだり蓋を開けたりします。
また、専用のバッグ等があると重い鉄鍋も持ち運びに便利です。
熱い鉄鍋は焦げとの戦いです。直接鍋底に食材を置くと焦げるので、底上げするためにアルミの鍋敷き、パイ皿、バーベキュー用の大きなアルミトレーなどが重宝します。筆者は鍋を洗うためのタワシと一緒にダイソーで購入しています。
鶏の丸焼き材料を用意する
キャンプの前日までに食材を用意します。鶏の丸ごと一羽を入手します。中が空洞になっているので、塩を振ってよく洗います。鶏の空洞部分には、冷凍のピラフ(解凍済み)を詰めます。筆者のおすすめは Costco の味の素ピラフです。一袋弱詰め、皮鶏を引っ張って楊枝や竹ひごで閉じます。
大きめのジップロックなどのビニール袋に、準備した鶏を詰めて、醤油、バルサミコ酢、オリーブオイルとスライスしたニンニクを入れてマリネします。そのまま一晩以上冷蔵庫で寝かせて完成です。そのままクーラーバックに入れて、キャンプに持っていきましょう!
キャンプ場での準備
たき火を用意します。薪はたいていのキャンプサイトの受け付けで購入できます。自然の生態系を守るために、薪は持ち込まずにキャンプサイトの用意しているものを使いましょう。
ファイヤーピットで火をつけるのはなかなか難しいですが、ファイヤーペーストや固形燃料とうちわがたき火準備の強力な助っ人になるでしょう!みんなで近くに落ちている木を拾って燃料にしたり、たき火奉行が仕切りだしたりと、ワイワイしながらキャンプファイヤーの準備をすれば、みんな自然にたき火を囲んで、後はダッチオーブンの登場を待つだけです。
火がついたら、鍋の準備をしましょう。鍋に薄く油を塗って(スプレー缶のオイルがおすすめ)、鍋の底に(あればアルミの鍋敷きやパイ皿を敷き)セロリを敷き詰めます。その上に鶏を足を上にして乗せます。鍋と鶏の隙間にジャガイモなどの野菜を敷き詰めます(丸焦げになるので野菜を剥く必要はないです。ジャガイモは小さいのがおすすめ)。蓋をして隙間がないことを確認して、たき火の中に直接入れます。薪を井形に組み真ん中に鍋が入れららればベスト。あとは焦げないように様子をみながら小一時間加熱します。待っている間に、このたき火でトウモロコシや焼き芋焼いてもいいですね。トウモロコシは皮ごと、水に湿らせたキッチンペーパーで巻いて、その上にアルミホイルで巻きます。そのままたき火の外部に転がせておけば、鍋と同じころに食べごろです。
いっただきまーす
鍋から鶏の香ばしいにおいが一面に立ちこめてきたら、そろそろ食べごろ。蓋を開けると、みんなの歓声が響き渡ります!鶏の丸焼きはやっぱりごちそうなんだなあ。鶏はすぐに別のお皿に移して、みんなで切りながら食べましょう!鶏は骨までしゃぶってもよし、取り分けて残した骨をお米と炊いて鶏雑炊にしても美味しいですヨ。
みんなが盛り上がって取り分けている間、鍋はすぐに水を張ってしまうのがいいでしょう。高熱なので取り扱いには気を付けて!ジューーーっと水蒸気が。鉄鍋は熱いうちでないと焦げがとれないので早めに行動を。食べ終わった後に冷めてから水洗いをして逆さに乾かしておきましょう。ちょっとだけ手間がかかりますが、広いアメリカのキャンプサイトでは思いのほかこの鍋との儀式は苦にならないと思います。
鍋を触るほど愛情が移って、鍋から料理に伝わるといいなー。
更新:2019年6月 文・写真:近江まさこ